...Eが不断から云ひ馴らしてゐる『牢屋』と云ふ感を其のまゝ現はしてゐるとしか見えなかつた...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...この事は私も不断から...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...あんなに不断から用心していながら...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...一体不断から病人らしい静かにしている女ですから」すると若奴も傍から...
近松秋江 「霜凍る宵」
...二十七お島が不断から目をかけてやっている銀さんと云う年取った車夫が...
徳田秋声 「あらくれ」
...不断から善く死ぬ死ぬと言っていたから」「そうですか」お島は仰山らしく顫(ふる)え声で言った...
徳田秋声 「あらくれ」
...不断から反(そ)りの合わなかった継母を斬(き)りつけたということは...
徳田秋声 「黴」
...不断から淋(さむ)しい片靨(かたえくぼ)さえ平生(つね)とは違った意味の淋しさを消える瞬間にちらちらと動かした...
夏目漱石 「行人」
...あなたは不断から私を馬鹿にして御出(おいで)なさる...
夏目漱石 「それから」
...代助は不断からなるべく父を避けて会わない様にしていた...
夏目漱石 「それから」
...二人の心持を解けない謎(なぞ)のように不断から見つめていた...
夏目漱石 「明暗」
...……そんな……あたしは不断からあなたがあたしに許して下さる自由に対して感謝の念をもっているんです……のにあたしがあなたの転地療養を……妨げるなんて……」津田はようやく安心した...
夏目漱石 「明暗」
...不断から手癖の悪い娘で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...不断から長者丸の村越の用心棒が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...不断から食の強い児で年や体のわりに大食した上に時々は見っともない様な内所事をして食べるので私が来る前頃胃拡張になって居た...
宮本百合子 「悲しめる心」
...不断から自慢に思って...
森鴎外 「雁」
...それは不断から機嫌の変わり易(やす)い宇平が...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...不断から透明な頭がいよいよ透明になつて来る...
森鴎外 「魔睡」
便利!手書き漢字入力検索