...早月さんはわしが引き受けた」という声と不敵な微笑とがどやすように葉子の心の戸を打った時...
有島武郎 「或る女」
...大胆不敵な鼾(いびき)で...
泉鏡花 「婦系図」
...なんという大胆不敵なやつだろう...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...父はそう云って不敵なあざ笑いを浮かべたと云う...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...自分でも不敵なと思えるほどの卑屈な微笑を浮かべ...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...不安げなまた不敵な様子で...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...不敵な代物じゃ」「此処へ来る迄には...
直木三十五 「南国太平記」
...かの大胆不敵なる外国人に逢いて...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...ところがあくまで不敵な助丸はひと晩のうちに若い者を連れて遊びに行き...
正岡容 「寄席」
...そのような不敵なところ...
三木清 「西田先生のことども」
...そうした点まで気が強かった……極端にいうと女らしくない程度にまで大胆不敵な男優(まさ)りであったとも考えられるようですが……どんなものでしょうか」今度は予審判事と特高課の二人が同時にうなずいた...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...いつまでも見知らぬ男に手紙を書き続ける大胆不敵な能力とを持ち合せてゐる所から押して見ると...
横光利一 「火の点いた煙草」
...兄を兄とも思わぬ不敵な奴...
吉川英治 「剣難女難」
...不敵な女め」佐分利五郎次(さぶりごろうじ)が...
吉川英治 「神州天馬侠」
...その愛くるしい中にある不敵な眸に会って...
吉川英治 「新書太閤記」
...不敵なしれ者の行方をさがしまわっている捕手(とりて)たちの声が聞えてでも来るように――夜かぜが廂(ひさし)にさわいでいた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...――いつもの不敵な眼も...
吉川英治 「源頼朝」
...不敵な曲者(くせもの)が悠々として漕ぎ去りつつ唄う船唄が流れて来る...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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