...予はもうこれ以上に予に取つて極めて不慣れなる御禮の言葉を繰返すことを止めよう...
石川啄木 「郁雨に與ふ」
...不慣れの集団生活と絶対服従の規律の前に屈伏させる一手段であるかも知れないが...
石原莞爾 「戦争史大観」
...お鳥は不慣れな温泉場に於ける旅の身ぞらを心配した...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...時々刻々に変る列車速度の認定にも不慣れであり...
上田広 「指導物語」
...感情をおし殺す術に不慣れな為に...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...そうした事に不慣れの彼女は僅(わずか)一束の紙幣を抜きとるのに可成の時間を費したらしく...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...軍治にはこの新奇な不慣れな姓が恥しかつた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...私は大いなる保護者にすがり始めたばかりの不慣れでぎこちない霊だった...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「感覚の殻」
...不慣れな客を招いたりおびき寄せたりすることもないわけではない...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「長い部屋」
...ドミン 不慣れで大変ではありませんでした?ヘレナ どうして?ドミン それはその――お若いようでいらっしゃいますので...
カレル・チャペック Karel Capek 大久保ゆう訳 「RUR――ロッサム世界ロボット製作所」
...これに対して所轄署の厳重な注意を受けたことは場内世話係の不慣れに基づくもので...
戸坂潤 「〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)」
...以て不慣れなる政治劇の舞臺に立つに至りしは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...この不慣れな様子を人に見られるのが恥しいのとまだ知らぬ学校生活の心配とに小さな胸を痛めて自分の爪先ばかり見ながらそろそろとついてゆく...
中勘助 「銀の匙」
...急に不慣れな問題が跳出したので...
中原中也 「心理的と個性的」
...その話が彼を導いていったのは不慣れな思考法でもあった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...良人は水に不慣れのため脚気みたようになり杖にすがらねば歩けず...
矢田津世子 「旅役者の妻より」
...それがペンギンを不慣れな放浪に出る程に驚かせたのは明白なのだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...まだ東洋への航海は不慣れだったのである...
和辻哲郎 「鎖国」
便利!手書き漢字入力検索