...八僕は硝子会社の社長のゲエルに不思議にも好意を持つてゐました...
芥川龍之介 「河童」
...その声もまた不思議にも清太郎の声ではないかと思うくらいである...
芥川龍之介 「春の夜」
...不思議にも私の頭腦の中で結び着き易かつた...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...特に執筆を始めると不思議にも必ず病気にかかるので「アメリカの神様が必死に邪魔をするんだろう」などと冗談を言うような有様であった...
石原莞爾 「戦争史大観」
...「不思議にもフィルムの切取られた箇所と...
海野十三 「獏鸚」
...これが不思議にも堪え難い窮屈さから救い出してくれた...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...若い上さんの笑顔(えがほ)! それが不思議にも私の心を惹いた...
田山録弥 「百日紅」
...白昼帝都のまん中で衆人環視の中に行なわれた殺人事件は不思議にも司直の追求を受けずまた市人の何人(なんぴと)もこれをとがむることなしにそのままに忘却の闇(やみ)に葬られてしまった...
寺田寅彦 「火事教育」
...その血まみれの事件のうちに不思議にもフォーシュルヴァン氏が現われたことは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...思えばかえって不思議にも...
永井荷風 「妾宅」
...不思議にもそれが皆同じ樹である...
夏目漱石 「幻影の盾」
...不思議にもその腕には抵抗力がなかった...
夏目漱石 「明暗」
...不思議にも葵は悲しくも恐ろしくもなかった...
久生十蘭 「金狼」
...不思議にも若旦那の彼に好意をもっていて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...或日或時わが目に映じたる街の樣の不思議にも明かに思ひ浮べ得るまま...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...これを知っている女房などは不思議にも思うのであったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...不思議にも形に醜いものはない...
柳宗悦 「陸中雑記」
...けれどもその声は不思議にも...
夢野久作 「一足お先に」
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