...不思議にもまた耳もとで...
芥川龍之介 「運」
...――今度は不思議にも十二時になつてゐた...
芥川龍之介 「春の夜は」
...それがまた不思議にもよく正確な時刻に合うので...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...不思議にも鬼の角のようなものが生えていた...
海野十三 「火星兵団」
...不思議にも! その時はもうスパセニアの姿は...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...不思議にも長い月日を色里(いろざと)に暮らして...
谷崎潤一郎 「刺青」
...二十世紀の有力な諸哲学は――プラトンの『ポリテイア』やアリストテレスの『ポリティカ』のような古典的な手本にも拘らず――不思議にも...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...不思議にも肺の方は比較的健全だったので...
豊島与志雄 「父の形見」
...その声は再び不思議にも落ち着いていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...余は不思議にも命の幅(はば)の縮(ちぢ)まってほとんど絹糸のごとく細くなった上を...
夏目漱石 「思い出す事など」
...それが不思議にも続きもので...
夏目漱石 「行人」
...君はあまり鼠を捕(と)るのが名人で鼠ばかり食うものだからそんなに肥って色つやが善いのだろう」黒の御機嫌をとるためのこの質問は不思議にも反対の結果を呈出(ていしゅつ)した...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...発して言辞と化する辺(あたり)には不思議にも中庸を失した点が多い...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...不思議にも葵は悲しくも恐ろしくもなかった...
久生十蘭 「金狼」
...あの兄なる者の言う通り彼女を殺したのは手を下さずとも此の自分でなくて何人(たれ)か?呉羽之介は不思議にも...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...僕は格別不思議にも思わない...
森鴎外 「心中」
...不思議にもその染物に現れた模様や色調はいかに支那と異なっているであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...不思議にも自分と少しも違わぬ姿を持っているのですから...
夢野久作 「白髪小僧」
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