...不思議にも驚かなかつた...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...それがまた不思議にもよく正確な時刻に合うので...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...(だが、万物(ばんぶつ)の霊長(れいちょう)たる人間が、そうむざむざと死滅してなるものか!)人間というものは、どうにも、もういけないときまった時に、不思議にも、それをはねかえす力が出て来るものである...
海野十三 「火星兵団」
...不思議にも今まで大厳石を据えつけてあるように見えた正面の黒い第十室の鉄扉が静かに内部に向って徐々に動きだしたのである...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...そういったいろんなものが不思議にも彼の革命的精神と調和していたのだ...
ピョートル・アレクセーヴィッチ・クロポトキン Pyotr Alekseevich Kropotkin 大杉栄訳 「革命の研究」
...上さんは不思議にもぢつとしては居られなかつた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...今日は不思議にも平生の様に反抗とか犠牲とかいう念は起こらずに...
田山花袋 「一兵卒」
...二十世紀の有力な諸哲学は――プラトンの『ポリテイア』やアリストテレスの『ポリティカ』のような古典的な手本にも拘らず――不思議にも...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...それが、わりに静かな場内の空気のせいか、不思議にも、煙草の煙や撞球の道具などの新世紀風の中に、しっくりと調和して落着いていた...
豊島与志雄 「阿亀」
...で不思議にも道に迷いはしなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...不思議にも彼女は打ちもしなければどなりつけもしなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その声は再び不思議にも落ち着いていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...別段不思議にも思わなかった...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...不思議にもこの詞が讖(しん)をなした...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「十三時」
...三そのうち不思議にも...
室生犀星 「お小姓児太郎」
...見れば不思議にも猛虎(もうこ)の姿が浮ぶ...
柳宗悦 「工藝の道」
...不思議にもその染物に現れた模様や色調はいかに支那と異なっているであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...そうなるとあのなだらかな土手が不思議にも偉大さを印象し始めるのである...
和辻哲郎 「城」
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