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饗庭篁村 「木曾道中記」
...彼の文章は冷然とした中に不思議にも情熱を漲らせてゐる...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...そうしてロケットは、いずれもピート大尉の時と同じく、不思議にも、どろどろとけてしまって宇宙から消えて行った...
海野十三 「火星兵団」
...不思議にも今まで大厳石を据えつけてあるように見えた正面の黒い第十室の鉄扉が静かに内部に向って徐々に動きだしたのである...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...不思議にも今までまるでそれに気附かないとは...
江戸川乱歩 「心理試験」
...不思議にもその双生児(ふたご)は...
大阪圭吉 「石塀幽霊」
...不思議にも残っている...
小泉八雲 田部隆次訳 「茶碗の中」
...我から不思議にも疎(うと)ましくも感じた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...不思議にも今日の一部の思想家には...
津田左右吉 「日本精神について」
...不思議にもこの燈下の寒竹の記憶と共に...
寺田寅彦 「郷土的味覚」
...すると不思議にも...
豊島与志雄 「夢の卵」
...マリユスはコゼットに会って以来一種の音楽のうちに浸ったような心地になって、不思議にも、過去のことは、最近の過去のことまでも、遠くおぼろげになってゆき、コゼットが語ったことだけで十分に満足した...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...不思議にも熊はたふれずに...
宮原晃一郎 「熊捕り競争」
...三そのうち不思議にも...
室生犀星 「お小姓児太郎」
...この新(あらた)な待遇は、不思議にも、これを受ける伊沢の嫡男をして忽(たちま)ち態度を改めしめた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...奇麗でしょう?」「おやまア奇麗! 花もお好きなの? 武芸もお好き?」と言ッて白い手を軽く自分の肩へ掛けて、ちょっと揺すッてそして頭を撫でたが、不思議にも、その手が触(さわ)ると自分の胸はさわぎ出した、がそれを見られまいと急いで、「花は白い方が奇麗ですねエ、赤ッぽいのよりか」「そうですね、淡白(あッさり)していて...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...近時不思議にも琉語を棄てて...
柳宗悦 「民藝四十年」
...これを尊敬したのは不思議にも朝鮮人ではなく...
柳宗悦 「民藝四十年」
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