...しかしとにもかくにも肉情の興奮の結果が顔に妖凄(ようせい)な精神美を付け加えているのは不思議だった...
有島武郎 「或る女」
...不思議だナと考へて...
石川啄木 「菊池君」
...オヤ、これは不思議だ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...それにしてはあの言葉つきが全く京都人らしく聞えたのが不思議だといつたら...
高濱虚子 「俳諧師」
...不思議だと思ったけれど...
田山花袋 「蒲団」
...キミ子は愛のうちに感傷的に涙ぐむことはあったが、こんな時に、こんな泣き方をするとは、不思議だった...
豊島与志雄 「立枯れ」
...際(きわ)どいところで煙草の用を足しているから不思議だ...
夏目漱石 「坑夫」
...これは不思議だ...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...どうも喘息(ぜんそく)ってものは不思議だねえ...
夏目漱石 「道草」
...「不思議だか当り前だか知りませんが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「不思議だ」一生懸命首を捻(ひね)る平次の顏を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「それが不思議だよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...富岡には不思議だつた...
林芙美子 「浮雲」
...もっと満足していないことが不思議だった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...この世の中に不思議だとか奇妙だとかてえことはある筈はないのだ...
久生十蘭 「魔都」
...殊に死骸の隠し方が不思議だ...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...これや全く不思議だよ...
横光利一 「上海」
...「不思議だなあ、物音一つして来ない」「もう、お稲さんが見に行ってからだって大分になりますぜ」「左様さ……」と、賛之丞は唇をかみしめて、張りつめている態度の裏を、周囲の者にのぞかれまいと努めたが、すこし、不安な様子が顔いろにグラつき出した...
吉川英治 「八寒道中」
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