...『僕の事はマア不得要領な挨拶をしたが...
石川啄木 「札幌」
...黒い髯で通る○○は露助然たる駱駝帽を被って薄荷パイプを横啣(よこぐわ)えの外套の衣兜(かくし)に両手を突込みの不得要領な顔をしていた...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...不得要領なゲエムの開戦とはなった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...苦々しそうな薄笑いを浮べて気味の悪いほど不得要領な顔つきをしている自分の顔が鏡を見るようにはっきりと自分の目の前に見えた...
相馬泰三 「六月」
...おかみさんの不得要領な哀訴嘆願で誤魔化(ごまか)されて...
谷譲次 「踊る地平線」
...不得要領な手紙が来たのである...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...「あまり不得要領なものだから...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...その不得要領なことはいつまでたっても不得要領で...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの不得要領な貧窮組が勃発して江戸市中を騒がすと共に...
中里介山 「大菩薩峠」
...不得要領はいよいよ不得要領な狼狽て方であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...前の時は不得要領な貧民どもが寄り集まって...
中里介山 「大菩薩峠」
...数ヶ月前不得要領な訪問を受けて以来の対面なり...
中島敦 「光と風と夢」
...不得要領な動き方をして...
野村胡堂 「音波の殺人」
...まもなく八五郎は不得要領な顔をして戻って来ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...不得要領な顔をしてニヤニヤ笑ってばかりいるが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...鼻の先にとまりかけた蠅を手ではらうといつもの不得要領な調子で...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...不得要領な顔をしてこんな事を言った...
森鴎外 「独身」
...私はしごくあいまいに微笑してから「やあ」というような不得要領な声をもらし...
山本周五郎 「青べか物語」
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