...「もし王をしておれに対するこのような不届きなことをさせる者が...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...二人はあまり口を利(き)かずに急いだが、金谷坂(かなやざか)あたりでがんりきが、「鼠小僧という奴は面白い奴よ、姫路の殿様の近所にやっぱり大きな殿様のお邸があって、そこでお能舞台が始まっている時のことだ、殿様がこっちから見ていると、舞台の真中に、年のころ十八九ばかりで月代(さかやき)の長く生えた男が伊達模様(だてもよう)の単衣物(ひとえもの)を着て、脇差を一本差して立っているのを殿様が見咎(みとが)めて、あれは何者だ、ついに見かけない奴、不届きな奴、追い出せとお沙汰がある、家来たちが見ると、お能役者のほかに人はいない、殿様はなお頻(しき)りに逐(お)い出せ逐い出せとおっしゃる、仕方がないから舞台へ上って追う真似をしてみたがなんにもいやしない、そのうちに舞台の上を見ると紙片(かみきれ)が落ちている、拾って見るとそれに『鼠小僧御能拝見』と書いてあった、殿様の眼にだけはその姿がちらついたんだが、ほかの者には誰も見えなかった...
中里介山 「大菩薩峠」
...「不届きな女だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...不届きなる羊飼いよ...
A. ビアス A.Bierce The Creative CAT 訳 「羊飼いハイタ」
...その不届きなる歩行者に向って...
久生十蘭 「魔都」
...取つておきの悪罵がこの不届きな若者の頭から浴せかけられた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...成程不届きなのは悪魔ですが...
牧逸馬 「双面獣」
...もっと不届きなのは...
牧逸馬 「沈黙の水平線」
...不届きなことをいったんだろう...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...往来の者を威(おど)し騒ぎを起こすとは不届きなやつだ...
山本周五郎 「ひとごろし」
...不届きな怠け者だ...
吉川英治 「三国志」
...不届きな匹夫を援(たす)けるかっ...
吉川英治 「三国志」
...「不届きな振舞い...
吉川英治 「新書太閤記」
...あるまじき不届きな沙汰」「何とも恐れいりまする」「かかる軍紀の弛(ゆる)みが見ゆればこそ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...「不届きな奴だ、承知して怠ったのだと聞いては許されん、さっ、来いっ」ずるずると、段の方へ、引き摺(ず)った...
吉川英治 「親鸞」
...異説を唱える不届きな範宴は...
吉川英治 「親鸞」
...これにはおりませぬが」「不届きなやつ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...この兵庫の肩を躍り越えたな」「? ……」「土民の分際で、狎(な)れるにまかせて、不届きな仕方...
吉川英治 「宮本武蔵」
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