...しかしさうなると、皆んな自分の云つた言葉の結果がどんな事になるかしれないと云ふ、不安と恐怖で、だれも、巡査達とはか/″\しい口をきく事はなかつたのでした...
伊藤野枝 「火つけ彦七」
...家は無事かと胸がドキドキして歩けないくらいの不安と恐怖とたたかいながら...
太宰治 「家庭の幸福」
...自分の不安と恐怖...
太宰治 「人間失格」
...れいの不安と恐怖にのたうち廻る思いで...
太宰治 「人間失格」
...二重にも三重にも綾のある心理が徒らに複雑に思われ冷やかにさえ感じられるのに漸く不安と恐怖の念を抱くようになって...
辰野隆 「感傷主義」
...生の不安と恐怖が...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...不安と恐怖とで私は眠れなかった...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...絶えざる不安と恐怖とのために...
中島敦 「光と風と夢」
...その時ショパンを因(とら)えた不安と恐怖が...
野村胡堂 「楽聖物語」
...不安と恐怖を孕(はら)んだ声です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...たうとう海老床(えびどこ)も止したと聞きました」「それつきりか」「へエー」金五郎は不安と恐怖にさいなまれてゐる樣子で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...波打つやうに不安と恐怖を傳へて行くのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その聲は不安と恐怖にみちて...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...侃は人と親めぬ己の性格にさまざまの不安と恐怖を感じながら...
原民喜 「背後」
...彼の中に潜んでいたすべての不安と恐怖との爆発的開花だと言おう...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...劇(はげ)しい不安と恐怖でひき歪んだ顔で...
久生十蘭 「キャラコさん」
...他人の恋人を冒涜(ぼうとく)した事になるではないか……といったような不安と恐怖に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...制しきれない不安と恐怖とに慄(ふる)へてゐる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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