...そして不図(ふと)気(き)がついて見(み)ると...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...軈(やが)て智恵子は、昨日(きのう)来た朋友(おともだち)の手紙に返事を書かうと思つて、墨を磨り乍ら考へてゐると、不図、今日初めて逢つた信吾の顔が心に浮んだ...
石川啄木 「鳥影」
...不図(ふと)そんな疑惑が浮んできた...
海野十三 「三人の双生児」
...不図そんなことを思った...
海野十三 「深夜の市長」
...不図(ふと)床(ゆか)の上に...
海野十三 「俘囚」
...不図(ふと)した病気から脆(もろ)くも倒れてしまひ...
薄田泣菫 「茶話」
...不図(ふと)、急に、辞儀をして、こうしてはいられぬという態度で、此処(ここ)を出て行った...
田山花袋 「蒲団」
...と云う句を不図(ふと)憶(おも)い出した...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...が不図ダヌンチオと云ふ人が...
夏目漱石 「それから」
...代助が不図(ふと)振り返ったら...
夏目漱石 「それから」
...不図(ふと)見ますと...
野口雨情 「虹の橋」
...」「いくら位ひ貰へるの?」「行つて見ないことには解らないが……さうだな?」と彼は、仔細らしく眼を挙げたが、不図吾に返ると、これはうつかり飛んでもないことを喋舌つてしまつた! と気附いて、思はず竦然として首垂れてしまつた...
牧野信一 「小川の流れ」
...不図――左う気づいたが...
牧野信一 「心象風景」
...不図ガマ口の蓋をあけて見ると...
牧野信一 「その村を憶ひて」
...私は雪の中に道を失ふた旅人のやうに、あてどもなくふら/\と歩いて、眠気の襲来を待つのであつたが、不図、辛うじて一台の車を拾ふと、品川まで――とつたへた...
牧野信一 「病状」
...不図視線を避けて庭の方を眺めてゐた...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...それで不図心に浮ぶままに...
吉井勇 「酔狂録」
...私は不図遠くの留守宅に兄妹三人して仲よく遊んでいる子供たちの事を思い出した...
若山牧水 「みなかみ紀行」
便利!手書き漢字入力検索