...不図(ふと)放った帆村の質問から...
海野十三 「蠅男」
...が不図ダヌンチオと云ふ人が...
夏目漱石 「それから」
...不図机の上に乗せてあった梅子の封筒が眼に付いた...
夏目漱石 「それから」
...不図(ふと)見ますと...
野口雨情 「虹の橋」
...啓吉は不図(ふと)母親の処へよくやって来る男の顔を思い浮べた...
林芙美子 「泣虫小僧」
...不図(ふと)した事で始めて東京の芝居を見て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...何をともなく目守(みつめ)たまま暫(しば)らくは唯茫然(ぼんやり)……不図手近かに在ッた薬鑵(やかん)の白湯(さゆ)を茶碗(ちゃわん)に汲取(くみと)りて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...……不図、眼を挙げた時私は、今のあの騒ぎは夢だつたか! と思つたが――...
牧野信一 「鬼の門」
...不図いたづらに突ツついたんだらうと思ふんだ...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...一体自分は何んな言葉をかけるつもりなんだらう――不図左う気づくと...
牧野信一 「南風譜」
...不図七郎の頭に、わけもなく自分の家の壁に掲げてある写真が映つた...
牧野信一 「南風譜」
...「リリイは出さないの?」滝本が不図八重に訊ねると...
牧野信一 「南風譜」
...不図自分だつてもしも楽屋の素顔を知らずに「エミさん」を見たら...
牧野信一 「街角」
...不図近頃の自分が多くの債権者に支払延期の申わけを余儀なくされてゐる姿が...
牧野信一 「ラガド大学参観記」
...不図一枚の絵画と一本の日本風な横笛とを発見した...
松永延造 「ラ氏の笛」
...朝子は、考え考え珈琲を含んだが、不図、一杯の珈琲をも、自分達は事実に於て夥しい足音と共に飲んでいるのだと感じ、背筋を走る一種の感に打たれた...
「一本の花」
...多門は不図(ふと)台所の方へ行くと...
室生犀星 「ゆめの話」
...この時に自分は不図(ふと)この祖母が謡い好きであった事を思い出して...
夢野久作 「謡曲黒白談」
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