...私(わたくし)が不図(ふと)側見(わきみ)をした瞬間(しゅんかん)に...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...不図(ふと)気(き)がついて見(み)ると...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...その中不図(ふと)したことで...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...不図、其処へ妹娘の民子が入つて来て、『マア、綺麗な……』と言つて覗(のぞ)き込む、『上げませうか?』『可(よ)くつて?』手にとつて嬉しさうにして見てゐたが、『これ、何の花?』『罌粟(けし)...
石川啄木 「札幌」
...梅といふ子が生れた翌年(よくとし)不図(ふと)行方知れずなつてからモウ九年になる...
石川啄木 「鳥影」
...そのとき大隅学士は不図(ふと)気がついてあたりを眺めまわした...
海野十三 「地球盗難」
...――不図(ふと)...
海野十三 「俘囚」
...不図気がつくと、納屋の檐下(のきした)には、小麦も大麦も刈入れた束(たば)のまゝまだ扱(こ)きもせずに入れてある...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...不図机の上に乗せてあった梅子の封筒が眼に付いた...
夏目漱石 「それから」
...もうあんな真似は出来さうもない――不図そんな馬鹿な思ひに走つたりした...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...不図新吉が顔をあげると...
牧野信一 「淡雪」
...僕は不図、先日、オウトジヤイロが、初めて、帝都の空に現れるといふので空の音響に耳を欹てた時を思ひ出した...
牧野信一 「写真に添えて」
...不図時刻を知つて...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...反つて何か別の音響が聞えるやうな空鳴りがするものか――と私は不図首を傾けた...
牧野信一 「創作生活にて」
...私の額からはじりじりとあぶら汗が流れて、もう目も見開いては居られなくなつた時、不図私は、この巨大な共鳴箱が悪魔の騒ぎを抱いたまま、ふはふはと天へ浮きあがつてゆく心地に誘はれたかとおもふと、やがて打上花火の弾丸のやうに一直線へ天上へ向つて飛びあがつた瞬間、それは轟然たる音響と共に爆発した...
牧野信一 「創作生活にて」
...冬の朝の日差しが深々とした縁先で、去年のノートを拡げてゐると、不図、書きかけの手紙の一片が滾れ落ちた...
牧野信一 「春の手紙」
...酔つ払ひの真似でもして遊ばうかしら? 滝は不図そんなことを思ひました...
牧野信一 「舞踏会余話」
...不図気が付いて見ますと...
夢野久作 「白髪小僧」
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