...君は一冊のスケッチ帳(小学校用の粗雑な画学紙を不器用に網糸でつづったそれ)と一本の鉛筆とを...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...荒削の不器用に出來た體(からだ)で...
ルイ・ベルトラン Louis Bertrand 上田敏訳 「五本の指」
...又文太郎の方は短い大きな指で不器用に珠を彈き乍ら...
高濱虚子 「續俳諧師」
...不器用に繰り返しながら...
林不忘 「安重根」
...帰りながら彼は右手を不器用に振り...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...おそろしく不器用に唇(くちびる)をジナイーダの指に触(ふ)れたので...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...刑執行人の兵士は不器用にも...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...ただ不器用に挨拶をした...
夏目漱石 「門」
...不器用に長い膝(ひざ)を入れて...
林芙美子 「浮雲」
...伊代は不器用にうろうろして誰からも声をあびせかけられなかった...
林芙美子 「帯広まで」
...下のほうは一つ目で終っている絹リボンによって子供らしく不器用にしめつけているため...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...それを不器用に数えていたが...
火野葦平 「花と龍」
...不器用に描きなぐってあった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「落穴と振子」
...また不器用にどんと落ちて来ると...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...不器用に利用する事しか出來ない...
堀辰雄 「不器用な天使」
...はずがガタガタガタンと至って不器用に大きな音を立ててしまった...
正岡容 「小説 圓朝」
...主人が不器用に持っていたナイフにぶつかると...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...頬張つた飯を不器用にもぐもぐ噛みながら...
水上滝太郎 「大阪の宿」
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