...君は一冊のスケッチ帳(小学校用の粗雑な画学紙を不器用に網糸でつづったそれ)と一本の鉛筆とを...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...それを不器用に錠の中へ挿し込み...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...松本の煙草を不器用に口へ持っていった...
徳永直 「工場新聞」
...そうして噺が興に乗じて来る時不器用に割った西瓜が彼等の間に置かれるのである...
長塚節 「太十と其犬」
...大男は不器用に和服の羽織袴を穿き...
長與善郎 「青銅の基督」
...ただ不器用に挨拶をした...
夏目漱石 「門」
...不器用に折り乍ら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...小指程のものを不器用に引つぱり出して...
林芙美子 「瀑布」
...下のほうは一つ目で終っている絹リボンによって子供らしく不器用にしめつけているため...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...それを不器用に数えていたが...
火野葦平 「花と龍」
...(そのように不器用に設計された建物にはどうしても当然あることだが...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...いつのまにか不器用に歩き出してゐた...
堀辰雄 「聖家族」
...その顏は僕を不器用に慰める...
堀辰雄 「不器用な天使」
...そして彼はもう不器用にしか話せなかつた...
堀辰雄 「ルウベンスの僞畫」
...」百合子は近頃細君から習ひ覚えたチエリイを不器用に喫しながら...
牧野信一 「好色夢」
...――いつも滝はNに手をとられて木像のやうに不器用により他踊れないので...
牧野信一 「舞踏会余話」
...槌握った手が不器用にひとつところばかりをどうどうめぐりしていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...はずがガタガタガタンと至って不器用に大きな音を立ててしまった...
正岡容 「小説 圓朝」
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