...単色を含んで来た筆の穂が不器用に画布にたたきつけられて...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...不器用に箸(はし)を使い始めたのを見つけると云った...
谷崎潤一郎 「細雪」
...松本の煙草を不器用に口へ持っていった...
徳永直 「工場新聞」
...笹部は大きな手先で不器用に杯を受けた...
豊島与志雄 「叔父」
...そうして噺が興に乗じて来る時不器用に割った西瓜が彼等の間に置かれるのである...
長塚節 「太十と其犬」
...不器用に熊手を振りかぶっている...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...もっと不器用に作れそうなものですな...
夏目漱石 「草枕」
...ただ不器用に挨拶をした...
夏目漱石 「門」
...下のほうは一つ目で終っている絹リボンによって子供らしく不器用にしめつけているため...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...私は三十分以内に本庁へ帰る」そして丸めた靴下を不器用に右手にさげ...
久生十蘭 「魔都」
...その顏は僕を不器用に慰める...
堀辰雄 「不器用な天使」
...甚だ不器用にしか語れなかつたのだと言ふことが出來ます...
堀辰雄 「プルウストの文體について」
...そして彼はもう不器用にしか話せなかった...
堀辰雄 「ルウベンスの偽画」
...そして彼はもう不器用にしか話せなかつた...
堀辰雄 「ルウベンスの僞畫」
...」百合子は近頃細君から習ひ覚えたチエリイを不器用に喫しながら...
牧野信一 「好色夢」
...はずがガタガタガタンと至って不器用に大きな音を立ててしまった...
正岡容 「小説 圓朝」
...主人が不器用に持っていたナイフにぶつかると...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...不器用に両膝へ乗せて...
吉川英治 「新書太閤記」
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