...不味い物を喰つて...
井上準之助 「最近欧米に於ける財政経済事情」
...三日に揚げずに来るのに毎次(いつ)でも下宿の不味いものでもあるまいと...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...「通人てものは旨(うま)い物ばかり知っていて不味い物が解らんようでは駄目だ」と...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...一向通もいわずに塩の辛い不味い料理を奇麗に片附けた...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...不味い下宿屋の飯を喰っていても牛肉屋の鍋(なべ)を突(つッ)つくような鄙(さも)しい所為(まね)は紳士の体面上すまじきもののような顔をしていた...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...不味い珈琲はたつた一雫(しづく)も残つて居なかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...何といふ不味い三鞭酒だらう...
薄田泣菫 「茶話」
...どんなに不味いといはれたつて構はぬ...
田山録弥 「三月の創作」
...彼女の鼓がそれほど不味いとはそれまで気がつかなかった...
夏目漱石 「行人」
...片方からは『明日』という不味い料理が押しつけられているだけなんですからねえ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...……あの日のお夕飯位不味いものは...
平山千代子 「「みの」の死」
...不味いものとなったら...
古川緑波 「富士屋ホテル」
...ひどく不味いのでつまらない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...あまりその酒が不味いからなんだといふのには気づかず...
牧野信一 「書斎を棄てゝ」
...わたしは、若しも、ほんたうのことをいつたならば殴られさうな心配があつたので、変な顔をして、さもさも美味さうに呑みはじめたのである、不味いものを、美味さうに呑むのも、これも憂世の何やらで――などゝわたしは凝つと神妙に堪へて、踊りを眺め、歌を聞いてゐるうちには、どうやらほのぼのと恍惚の浮れに誘はれ出したのである...
牧野信一 「書斎を棄てゝ」
...海水浴から帰つて来る空腹には旅館最上位の食事が不味いと云ふ筈はないのだ...
村山槐多 「悪魔の舌」
...酒も肴(さかな)も不味いし...
山本周五郎 「思い違い物語」
...こ奴が少し不味いものを食はすかもしれないがね...
横光利一 「悲しみの代價」
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