...自分ひとり別になると云ふのも何となく不人情なしうちに思はれるのが恥かしいのと...
伊藤野枝 「惑ひ」
...彼女は不人情なみすぼらしい女で...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...あれほど不人情な仕向けをしておきながら...
徳田秋声 「足迹」
...何の不義理な事も不人情な事もないもんじゃ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...「不人情な奴(やつ)だ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...知らない面をして……不人情のようですけれど」芸妓(げいしゃ)の福松は...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうにでもなれと不人情のできない羽目に置かれたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...一所に成らうとは初めから思つては居ないのだけれど今になつてさう不人情に捨てられたのでは酷い...
長塚節 「開業醫」
...そんな不人情な立場に立って人を動かす事ができるかと聞くものがある...
夏目漱石 「写生文」
...「あなたのような不人情な人はこんな時にはいっそ来ない方がいいわ...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...僕もあんまりな不人情な男だと思ったから泥だらけの手で君の写生帖を引き裂いてしまった」「僕の有望な画才が頓挫(とんざ)して一向(いっこう)振わなくなったのも全くあの時からだ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...親兄弟に不人情をしている男だが...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...かつは旧誼上(きゅうぎじょう)何となく不人情のように思われければ...
福田英子 「妾の半生涯」
...けだもののように不人情な夷人め...
本庄陸男 「石狩川」
...そんな不人情なことがあるもんですか...
正宗白鳥 「孫だち」
...不人情と言つたつて仲間つぱづれと言つたつて...
三好十郎 「地熱」
...今からの宮を不人情に放ってはおくまい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...お父つぁんにさんざん不人情なことをしたあげく...
山本周五郎 「五瓣の椿」
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