...時々彼の不人情に後ろめたい思いもしない訣ではなかった...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...不人情というのか...
太宰治 「春の枯葉」
...だが今となっちゃ――まっぴら御免だ! もうその手にゃ乗りませんや! もう沢山! 黒いひとみ、情熱的な眼、まっかな唇、頬っぺたのエクボ、月の光、ささやき、ひそやかな息づかい――それを引っくるめてやるといわれたって、ええ奥さん、わたしは銅銭一枚だって出しませんね! 目の前にいる人はさておくとして、一たい女というものは老若を問わず、みんなお高くとまって、気どりやで、金棒ひきで、いじわるで、骨のずいまで嘘つきで、虚栄のかたまりで、こせこせして、不人情で、おまけに鼻もちならんロジックを振りまわすですな...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「熊」
...そう思っていればいるほどお前ら一族の者の不人情な仕打ちを胸に据えかねて...
近松秋江 「うつり香」
...不人情な養母達の機嫌を取り取りして来た...
徳田秋声 「あらくれ」
...この痛さを文章に簡単に書きあらわすのが第一すでに不人情だ...
永井隆 「この子を残して」
...思いのほか不人情なお方ですねえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...君のような不人情漢とは性質(たち)が違う」丸山勇仙は弁舌が軽い...
中里介山 「大菩薩峠」
...別に兄(あに)を不人情と思ふ気は起らなかつた...
夏目漱石 「それから」
...一体釣や猟(りょう)をする連中はみんな不人情な人間ばかりだ...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...「貴夫は不人情ね...
夏目漱石 「道草」
...僕もあんまりな不人情な男だと思ったから泥だらけの手で君の写生帖を引き裂いてしまった」「僕の有望な画才が頓挫(とんざ)して一向(いっこう)振わなくなったのも全くあの時からだ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...親分」「お前のいい度いことはよくわかるよ――それじゃあんまり不人情だ――というつもりだろう」「その通りですよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...不人情なものですね」「ありさうなことだな」「柳屋には...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...よくも不人情の奴等ばかりそろつてゐやがる...
萩原朔太郎 「大船驛で」
...不義理不人情、恩を知らざる人非人なれども、世間に之を咎(とが)むるものなきこそ奇怪なれ...
福沢諭吉 「女大学評論」
...決して不人情な者でないとすぐにまたよく思っていただくような日もあるでしょう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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