...時々彼の不人情に後ろめたい思いもしない訣ではなかった...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...木部の友人たちが葉子の不人情を怒って...
有島武郎 「或る女」
...自分としてはそう不人情な扱いも出来ないので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...併し不人情でエゴイストの自分等のやうなものには迷惑なのである...
寺田寅彦 「伊香保」
...恩に着るぞ! おまえたちはどいつもこいつも不人情なやつばかりだよ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...お照はそれにしても不人情なこの親爺にどういうわけで酒を飲ませてくれたのであろう...
永井荷風 「雪解」
...何か不人情な仕打ちに出でたものと思う...
中里介山 「大菩薩峠」
...君のような不人情漢とは性質(たち)が違う」丸山勇仙は弁舌が軽い...
中里介山 「大菩薩峠」
...別に兄を不人情と思う気は起らなかった...
夏目漱石 「それから」
...「あなたのような不人情な人はこんな時にはいっそ来ない方がいいわ...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...「貴夫は不人情ね...
夏目漱石 「道草」
...向後(こうご)御互に不義理不人情な事はしたくないものだという意味を僅(わずか)二行余(あまり)に綴(つづ)って先方へ渡した...
夏目漱石 「道草」
...不人情でもいらっしゃる...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何んといふことだ」「――」「そんな不人情野郎の御馳走になつた上...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そしてかなり不人情でさえあった宗三郎は...
野村胡堂 「猟色の果」
...(お蔦に)永い間の不人情が今更...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...いくら何でも不人情をした上に...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...幕府の奴の如何(いか)にも無気力不人情と云うことが癪(しゃく)に障(さわっ)たので...
福澤諭吉 「福翁自伝」
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