...そういう不人情な了簡ではならぬといわれて...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...愛の冷却した夫婦の結合は不自然であるとか虚偽であるとかいう勝手な理窟(りくつ)を附けて不条理極まる破縁を不人情とも没義道(もぎどう)とも思わず...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...不人情な養母達の機嫌を取り取りして来た...
徳田秋声 「あらくれ」
...学者病中下女の不人情なるを憤るあたりの叙事...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...不人情を極めた手前勝手な船頭の手から逃れて...
中里介山 「大菩薩峠」
...小説を初からしまいまで読む必要があるんです」「すると不人情(ふにんじょう)な惚れ方をするのが画工なんですね」「不人情じゃありません...
夏目漱石 「草枕」
...恩を忘れるような不人情な詩人ではない...
夏目漱石 「虞美人草」
...不人情だわ」「僕なら忘れないんだが...
夏目漱石 「野分」
...私にはそんな不人情な事は出来ません」「それは困る...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...「女にはああいう時でも子供の事が考えられるものかね」「当り前ですわ」健三は自分が如何(いか)にも不人情のような気がした...
夏目漱石 「道草」
...少し不人情のごたるな」「不人情じゃないが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...不人情なものですね」「ありさうなことだな」「柳屋には...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こういう不人情なやつは...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...そういう不人情なこともしかねるので...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...不義理不人情、恩を知らざる人非人なれども、世間に之を咎(とが)むるものなきこそ奇怪なれ...
福沢諭吉 「女大学評論」
...「不人情のようだがとてもここには居られない...
正岡容 「我が圓朝研究」
...今からの宮を不人情に放ってはおくまい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「うるさいなんて不人情なことを云うなよ...
山本周五郎 「風流太平記」
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