...「お手紙(てがみ)の上書(うはがき)で覺(おぼ)えましたの……下郎(げらう)は口(くち)のさがないもんですわね...
泉鏡太郎 「艶書」
...下郎にちがい無いんだから――然し...
直木三十五 「寺坂吉右衛門の逃亡」
...下郎は下郎らしく...
直木三十五 「寺坂吉右衛門の逃亡」
...この下郎共の口の端にかかって完膚(かんぷ)のあるのはないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...その下郎の喜三太が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...半次は下郎に似氣なく字をよく書いたと申しますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...下郎まで寝させてしまったのは...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...下郎の絶望した斬れ斬れ斬れの罵(ののし)りの語を空想し...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...――お屋敷で下郎にでも使って下さいませんか...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...この下郎めが」高氏は...
吉川英治 「私本太平記」
...右馬介も人間だ」「下郎っ...
吉川英治 「私本太平記」
...下郎、供をせぬか」はや、松の木の間を彼方へ歩いておられたのである...
吉川英治 「私本太平記」
...武士下郎(げろう)の輩の膝下(しっか)にねじ伏せられて...
吉川英治 「私本太平記」
...だがふたたび、いやこんどは、もっと間(ま)ぢかな所で、廊の板じきがキシみ鳴って、ぬりごめの内へ、のそっと、獣(けもの)じみた背をかがめた武者の影が這うように躄(いざ)り進んできたのをごらんあると、さすが、「……や」と、一瞬にお顔の血をひき、そしておん眼の力のあらんかぎりをその者へ凝(こ)らしながら、「下郎っ...
吉川英治 「私本太平記」
...下郎習性と、自分でも歯がゆかったが、どうしようもなく、「お迎えにまいりました」と、思わざることを、口のうごくままつい言った...
吉川英治 「私本太平記」
...これはまた、忍剣の鉄杖より、龍太郎のはや技(わざ)より、一種(しゅ)べつな気稟(きひん)というもの、下郎大九郎は、すでに面色(めんしょく)もなく、ふるえあがって両手をついた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...(思い上がった下郎の専横沙汰...
吉川英治 「新書太閤記」
...いったい」「数年前にも見えられた八坂の不死人殿と、そして今度は、幾名もの下郎と、なお四人の女性(にょしょう)をお連れになって、同勢、十人ほどもございましょうか」「ふうむ? ……あの不死人がか」不死人と聞けば、妙に、なつかしくもあり、重くるしい圧迫も感じてくる...
吉川英治 「平の将門」
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