...有栖川宮殿下と立ちながら何か話せば「聖壽萬歳」の額の下なるソフアには各妃殿下花の如くに坐して外国使臣の夫人なんどの挨拶に答へたまふ...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...近年に至って都下花柳の巷には芸者が茶屋待合の亭主或は客人のことを呼んで「とうさん」となし...
永井荷風 「申訳」
...「ここは橋詰というところでございます、この次がよしヶ久保と申しまして、あすこにあるのが虚空蔵(こくぞう)様で、それと違ったこっちの方に毒蛇済度(どくじゃさいど)の経石(きょういし)というものがございます、それから白の原に白野、天神坂を通って立川原へ出て橋を渡ると神戸(ごうど)、それから中初狩に下初狩、上花咲に下花咲、大月橋を渡って大月」こんなことを言って、がんりきは細かな道案内をしながら歩いて行きます...
中里介山 「大菩薩峠」
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