...階段を下りると、家族の人達が床のあちらこちらに寝ているのが、薄暗いたった一本の蝋燭の光で見えた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...土地を知った二人が、ふとこれに心を取られて、松の方(かた)へ小戻りして、向合った崖縁に立って、谿河(たにがわ)を深く透かすと、――ここは、いまの新石橋が架(かか)らない以前に、対岸から山伝いの近道するのに、樹の根、巌角(いわかど)を絶壁に刻んだ径(こみち)があって、底へ下りると、激流の巌から巌へ、中洲の大巌で一度中絶えがして、板ばかりの橋が飛々(とびとび)に、一煽(ひとあお)り飜って落つる白波のすぐ下流は、たちまち、白昼も暗闇(やみ)を包んだ釜ヶ淵なのである...
泉鏡花 「怨霊借用」
...一つの山を曲りながら下りるとウ氏の姿が下に小さく見える...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...「あすこから飛び下りるんだぞ...
薄田泣菫 「茶話」
...自分が先に庭に下りると...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...下へ下りる階段の方へと向つて行くと...
田山録弥 「海をわたる」
...この雨ではとても下りることは出来ないと思つてあきらめてゐた...
田山録弥 「山間の旅舎」
...新宿に下りると、雨が盛(さかん)に降って居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...夜中寝台からはい下りることさえあった...
豊島与志雄 「父の形見」
...飛び下りる方はさほどでもありませんでした...
豊島与志雄 「彗星の話」
...「そら始まった――じゃ行って来るよ」と宗近君は中二階(ちゅうにかい)を下りる...
夏目漱石 「虞美人草」
...急いで石段を下りるために手を振るごとに動く様を後から無言のまま注意して眺(なが)めた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...「生命(いのち)なき砂の悲しさよさらさらと握れば指の間より落つ」「高きより飛び下りる如き心もてこの一生を終るすべなきか」と...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...急な坂を下りるので足がガク/″\する...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...私には梯子(はしご)を傳つて下りる道が殆んど見えなかつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...幕が下りるや、ウォードが立ち上がり、外へ出た...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...私は手早く衣服を着けて食堂へ下りると...
松本泰 「日蔭の街」
...附近の停車場前の溜場からタクシーに乗って一〇一番の家の前で下りると...
松本泰 「日蔭の街」
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