...而も亦このプライドの緊張を煩さい、下らない、馬鹿々々しいと感じて、自ら賤む心持を經驗せずにはゐられなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...半ばは同情から、半ばは惡感から來るのだが、女性といふものが子を持ち、所帶じみるに從つて、年の加減でもあらうが、自分から色けがなくなつて行くのを見ると、義雄はいつ、どこでそれを見るにしても、そのだらしなさ、意久地(いくぢ)なさ、きたなさを感じて、下らない樣な、馬鹿々々しい樣な、憎らしい樣な厭氣(いやき)を抱かざるを得ない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...大久保氏は吊革にもぶら下らないで...
薄田泣菫 「茶話」
...世の中に眞に下らないことにならう...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...たといそれが第二としても第一より余計は下らない高山であります...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...まあ成るべくなら下らない質問はやめて貰って...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...どうせ下らないことにきまっている...
豊島与志雄 「好人物」
...中核を逸した下らない文字の羅列に終っていはしないかを...
豊島与志雄 「待つ者」
...こんなに下らないものだったのかと驚嘆し...
中井正一 「美学入門」
...名前や標題に欺(だま)されて下らない本を読んだ時ほど残念な事はない...
夏目漱石 「思い出す事など」
...「それは姉から祝ってくれたんだろう」「そうです」「下らない話だな...
夏目漱石 「道草」
...下らない女にまで軽蔑されているんです...
夏目漱石 「明暗」
...それよりは白紙を出してなんかの偶然を待つ方が宜(い)い――」「君は下らないモノを待っているんだね...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...牢獄の面積などということよりも下らないことがあろうか? だが...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「落穴と振子」
...不断の下らない事が...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...それは下らない事だ...
森鴎外 「半日」
...下らないアリバイなんか出しやがってね……そのうちにドウモ此奴(こいつ)は生蕃小僧なんて恐れられるようなスゴイ人物じゃないらしいって感じがして来たんだ...
夢野久作 「二重心臓」
...どうしても喉(のど)を下らないご容子だった...
吉川英治 「三国志」
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