...無鐵砲は一切の内面的經驗を上滑りして通るに十分なる眼かくしである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...併し同時に僕はこれあればこそ世間並に上滑りして通る事から救はれてゐるのだとも思ふ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...飛行艇が水上滑走をはじめ...
海野十三 「恐龍艇の冒険」
...実は仕事が上滑りしてるという感じもありました...
豊島与志雄 「椿の花の赤」
...上滑(うわすべ)りな円滑を主位に置く社交とは全く別物なのです...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...涙を呑(の)んで上滑りに滑って行かなければならないと云うのです...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...百年の経験を十年で上滑(うわすべ)りもせずやりとげようとするならば年限が十分一に縮(ちぢ)まるだけわが活力は十倍に増さなければならんのは算術の初歩を心得たものさえ容易(たやす)く首肯するところである...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...只(たゞ)其上(そのうへ)を上滑(うはすべ)りに滑(すべ)つて行く丈で...
夏目漱石 「それから」
...ただその上を上滑りに滑って行くだけで...
夏目漱石 「それから」
...上滑りのするようにかきこなしたって...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...上滑(うわすべ)りなところがなかったのである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...ブラームスには上滑(うわすべ)りな情熱もなく...
野村胡堂 「楽聖物語」
...六郷左京は上滑りな美に追われて...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...感情は悉く上滑りをしてゐる...
牧野信一 「或る日の運動」
...堪らなかつた――上滑りの感情で...
牧野信一 「「或る日の運動」の続き」
...上滑りな生活ばかりしてゐるうちに...
牧野信一 「妄想患者」
...真面目になればなる程私の心は上滑りをするのが癖だつた...
牧野信一 「妄想患者」
...それは決して上滑りをしたものではありません...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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