...上滑りをして通る――中心の問題に注意の焦點を集中するために...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...併し同時に僕はこれあればこそ世間並に上滑りして通る事から救はれてゐるのだとも思ふ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...飛行艇が水上滑走をはじめ...
海野十三 「恐龍艇の冒険」
...実質は無味乾燥で上滑りがしていて...
豊島与志雄 「野に声なし」
...いつ奥さんを御貰いなさるおつもりなんでしょう」と話しだけは上滑(うわすべり)をして前へ進む...
夏目漱石 「虞美人草」
...あるいは大部分はいくら己惚(うぬぼ)れてみても上滑(うわすべ)りと評するより致し方がない...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...涙を呑(の)んで上滑りに滑って行かなければならないと云うのです...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...百年の経験を十年で上滑(うわすべ)りもせずやりとげようとするならば年限が十分一に縮(ちぢ)まるだけわが活力は十倍に増さなければならんのは算術の初歩を心得たものさえ容易(たやす)く首肯するところである...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...今の日本の社会は――ことによったら西洋もそうかも知れないけれども――皆(みん)な上滑(うわすべ)りの御上手ものだけが存在し得るように出来上がっているんだから仕方がない」兄はこう云ってしばらく沈黙の裡(うち)に頭を埋(うず)めていた...
夏目漱石 「行人」
...ただその上を上滑りに滑って行くだけで...
夏目漱石 「それから」
...上滑(うわすべ)りにならなければ必ず神経衰弱に陥(おち)いるにきまっているという理由を...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...上滑りのするようにかきこなしたって...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...また時には才智と云へば云へる上滑りした智に堕する傾向を持つてゐるが...
南部修太郎 「現代作家に対する批判と要求」
...上滑(うわすべ)りなところがなかったのである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...六郷左京は上滑りな美に追われて...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...感情は悉く上滑りをしてゐる...
牧野信一 「或る日の運動」
...堪らなかつた――上滑りの感情で...
牧野信一 「「或る日の運動」の続き」
...すぐそんな上滑(うわすべ)りの気持は棄てなければならなかったけれど……...
蘭郁二郎 「火星の魔術師」
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