...上気した顔を向け直して...
泉鏡花 「薄紅梅」
...と湯上りの颯(さっ)と上気した顔の色を変えたが...
泉鏡花 「婦系図」
...七人の上気した顔が...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...畏敬(いけい)のまなざしで恋人の上気した顔を見上げた...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...俺たちの行為を見抜いていたのか、上気した顔に、はじらいの表情があった...
高見順 「いやな感じ」
...桃代は上気した顔でやって来て...
豊島与志雄 「白木蓮」
...およねじよ二十よ」おちやんは上気した顔を鞠といつしよにうなづかせながら一所懸命にまはる...
中勘助 「銀の匙」
...その上気した顔と...
中里介山 「大菩薩峠」
...」「夜鷹」と云ふやうな言葉をつかふ孫四郎の興味に例の厭気を催しながらもその上気した顔を見ると何となく気の毒のやうな気がして...
長與善郎 「青銅の基督」
...感激に上気した顔に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それが済むと彼女は上気した顔で立上つた...
原民喜 「雲雀病院」
...紅く上気した顔を技巧的にくずして...
平林初之輔 「アパートの殺人」
...若々しい上気した顔に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...やがてこゝろもち上気した顔を俯せて...
三木露風 「トラピスト天使園の童貞」
...泉子のぽーっと上気した顔つきや単純で熱烈な表情や身ごなしがまざまざとして...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...紺のダブルに包まれた端麗な姿と良心と熱意のために心もち上気した顔ばかり眺めていたそのうちに前夜の川岸のアパートでベソベソ泣きながらズボンを拾っているお前の姿を思い出したすると急にムカッと来た...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...すこし汗で上気した顔に...
吉川英治 「新書太閤記」
...紅(あか)く上気した顔に...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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