...上気した顔を向け直して...
泉鏡花 「薄紅梅」
...かすかに上気した眼のふち...
海野十三 「階段」
...彼女の美しく上気した全肉体をおおうものは...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...狡そうな画家の眼の前に立ったモデル女の上気した肌の羞恥を...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...波子の上気したような顔は汗で光っていた...
高見順 「いやな感じ」
...上気したようにポウッと眼の縁が染まって...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...かあッと上気したように赧(あか)くなった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...上気した花は、其の色の勢力を、空の瑠璃色と競はうとする欲望に燃えてゐる...
ボードレール 富永太郎訳 「道化と※[#濁点付き片仮名ヰ、1-7-83]ナス」
...ぽーっと上気した細面の顔を枕につけて...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...その上気した顔と...
中里介山 「大菩薩峠」
...いささか上気した意気込みで...
中里介山 「大菩薩峠」
...紅く上気した沢田の頬に桜の花が影を落してゐた...
牧野信一 「月下のマラソン」
...――見たいわ」いくらか上気したような頬をあげて...
「朝の風」
...コツが有るもんですね……(中止して手をはたきながら少し上気した顔で百姓を振返ると...
三好十郎 「おりき」
...紺のダブルに包まれた端麗な姿と良心と熱意のために心もち上気した顔ばかり眺めていたそのうちに前夜の川岸のアパートでベソベソ泣きながらズボンを拾っているお前の姿を思い出したすると急にムカッと来た...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...光のあふれたアスファルトの路上には色シャツに細いズボンの若者たちが上気したざわめきの渦をつくり...
山川方夫 「愛のごとく」
...濡れたナプキンで上気した自分の顔を拭き拭き給仕にソーダのお代りを命じた...
夢野久作 「二重心臓」
...上気した汗をたたえ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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