...上気した頬と、不安らしくひそめた眉と、決心しているらしい下唇とが私の眼に映じたのであった...   
海野十三  「空中墳墓」 
...彼女の美しく上気した全肉体をおおうものは...   
江戸川乱歩  「黒蜥蜴」 
...上気した青年の顔をなでた...   
江戸川乱歩  「黒蜥蜴」 
...周りの噪音(そうおん)が激しいのとで上気したせいか...   
谷崎潤一郎  「蓼喰う虫」 
...ぽーっと上気した細面の顔を枕につけて...   
豊島与志雄  「不肖の兄」 
...そのとげ/\しさに自ら上気した顔を更にぽつと赭らめ乍ら裕佐に笑顔を見せ...   
長與善郎  「青銅の基督」 
...」「夜鷹」と云ふやうな言葉をつかふ孫四郎の興味に例の厭気を催しながらもその上気した顔を見ると何となく気の毒のやうな気がして...   
長與善郎  「青銅の基督」 
...感激に上気した顔に...   
野村胡堂  「銭形平次捕物控」 
...それが済むと彼女は上気した顔で立上つた...   
原民喜  「雲雀病院」 
...すこし上気したようなようすで...   
久生十蘭  「キャラコさん」 
...ただもう上気したようになって見ていた...   
堀辰雄  「幼年時代」 
...紅く上気した沢田の頬に桜の花が影を落してゐた...   
牧野信一  「月下のマラソン」 
...逆光線を浴びた横顔が微かに見えたゞけだが上気した半身を風にあてゝゐるやうだつた...   
牧野信一  「まぼろし」 
...上気した神童はもう衝立のうしろへは行かずに...   
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神童」 
...コツが有るもんですね……(中止して手をはたきながら少し上気した顔で百姓を振返ると...   
三好十郎  「おりき」 
...おすえは上気した顔に微笑を湛(たた)え...   
山本周五郎  「さぶ」 
...いつになく上気した顔を真正面に向けているのを見ると...   
蘭郁二郎  「宇宙爆撃」 
...気のせいか上気したように赧らんで見えた...   
蘭郁二郎  「植物人間」 
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