...上品な声で「はは……」と笑つた...
薄田泣菫 「茶話」
...女の汚れた袷(あわせ)をそのまま丸めて懐へつっこんで来た頭の禿(は)げた上品な顔の御隠居でした...
太宰治 「老ハイデルベルヒ」
...「上品な酒場」の正体が分った気がする...
田中英光 「野狐」
...ヴァランタンが帰宅した時はもう燕尾服を着て胸に赤バラをかざしていた――上品な姿――黒い髯にはすでに白いものを交ぜていた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「秘密の庭」
...「この人より上品な人はありません...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「黄色な顔」
...その男は上品な剛直な老人だったが……」「面白そうだね」私は云った...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「グロリア・スコット号」
...感傷的な上品なことをクリストフに言おうとつとめた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...夫で一向差支ないぢやないか」「では極(ごく)上品な例で説明してやらう...
夏目漱石 「それから」
...何んとなく上品な風采をして居ります...
野村胡堂 「古城の真昼」
...上品な女の声でねえ……...
久生十蘭 「金狼」
...チーズから切りだしたような上品な横顔をこちらに見せてひっそりとグラスを含んでいた...
久生十蘭 「復活祭」
...この叙述をはつきりさせる爲めに上品な容貌(すがた)...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その靜に寂しい韻律を持つ極めて上品な夫人の文章を推稱し度い...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...第四十六鮎(あゆ)の鮨は大層(たいそう)上品な味で各地の名物になっていますがこれには鮎の善悪(よしあし)で非常な相違があります...
村井弦斎 「食道楽」
...上品な紺羅紗(こんらしゃ)のマントに同じ色の白リボンの中折れという馬鹿馬鹿しくニヤケた服装が...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...また甚だ上品な風姿をもっている...
吉川英治 「三国志」
...ひとりは上品な尼(あま)とも見える年とった婦人...
吉川英治 「宮本武蔵」
...諸経は上品なよい青年で...
和辻哲郎 「鎖国」
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