...其黄鼬(てん)の毛皮のついた、広い袖口からは、限りなく優しい、上品な手が、覗いてゐる...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...震えんばかりに興奮して顔を得(え)上げないでいた上品なかの青年が...
有島武郎 「或る女」
...アメリカから買って帰った上等の香水をふりかけた匂(にお)い玉(だま)からかすかながらきわめて上品な芳芬(ほうふん)を静かに部屋の中にまき散らしていた...
有島武郎 「或る女」
...その上品な風采に似ずその青年はまるで落付きがなかった...
海野十三 「恐怖の口笛」
...上品な趣味じゃないね...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...姿の上品な趣のある鳥です)...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...この上品な京生れの女には気の毒なくらい若さに張り切って...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...おとなしい、いわゆる上品な、さっぱりした趣味のみを将来に期待するのは大なる誤りである...
津田左右吉 「偶言」
...五十ばかりの上品な婦人がある...
外村繁 「澪標」
...僧院の長老は上品な老人で...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...そのくせ何処か上品なところのある...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...先生は色の黒い菊石面(あばたづら)で、お媼さんは四角い白っちゃけた顔の、上品な人で、昔は御祐筆(ごゆうひつ)なのだから手跡(しゅせき)がよいという評判だった...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...彼の顏は決して上品な部類ではなかつたけれども...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...上品な美しさがかえって添ったかのように見える...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...上品なものに崩れかかるようなものが...
室生犀星 「舌を噛み切った女」
...上品な苦笑のうちに...
吉川英治 「新・水滸伝」
...その高貴性のある上品な面(おも)ざしは...
吉川英治 「親鸞」
...ひとりは上品な尼(あま)とも見える年とった婦人...
吉川英治 「宮本武蔵」
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