...とうとう二進(にっち)も三進(さっち)も動けない今の身分になってるのだとひそかに洒落れてみた...
岩野泡鳴 「猫八」
...この数年来二進(にっち)も三進(さっち)も行かない打撃を受けて...
大阪圭吉 「白妖」
...そしてよしやふたゝびあの二進も三進も出来なくなる恩寵の不仕合せに落ち込まうとも...
高田保 「貸家を探す話」
...二進(にっち)も三進(さっち)も行かないぬかるみだし...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...二の三進め 行列旗持ちかへて皆な 行け行け一...
野口雨情 「未刊童謡」
...ぬすっとの手がかりだけでもつけておかねば二進(にっち)も三進(さっち)もいきゃアしねえ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...二進も三進も行かなくなってしまうのでございます」「いかにも...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...その件であっしは二進も三進も行かなくなっているンです...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...俺は二進(にっち)も三進(さっち)もいかぬところへ落ち込んで藻掻いていたが...
久生十蘭 「湖畔」
...二進(にっち)も三進(さっち)も行かない身のつまりになるのだと思いこんでいた...
久生十蘭 「虹の橋」
...……七つも齢下の定太郎にじぶんの方から首ったけになって二進(にっち)も三進(さっち)もゆかぬようになり...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...スッテンどころか百万からの借金でもう二進(にっち)も三進(さっち)も行かなくなってるんだ...
久生十蘭 「魔都」
...二進(にっち)も三進(さっち)も行かぬ借金の穴埋めをしようと血眼になって走り廻っている...
久生十蘭 「魔都」
...二進も三進もゆくまいと自惚れてをるのぢやらう...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...これじゃ二進(にっち)も三進(さっち)もゆきやしません...
正岡容 「初看板」
...世界が死んだ物で塞(ふさ)がってニッチも三進(さっち)もならず...
南方熊楠 「十二支考」
...小説として二進も三進も行かない...
吉川英治 「折々の記」
...二進(にっち)も三進(さっち)もゆかない窮地へ自分を追い込んでしまい...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索