...――何だか私も山羊のような!(十一月二十日)(十一月十九日も)つつましくも山畑三椏(ミツマタ)咲きそろひ岩が大きな岩がいちめんの蔦紅葉なんとまつかにもみづりて何の木銀杏ちるちる山羊はかなしげに水はみな瀧となり秋ふかしほんに小春のあたたかいてふてふ雑木紅葉を掃きよせて焚く野宿つめたう覚めてまぶしくも山は雑木紅葉十一月二十一日早起...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...足長蜂の巣のやうな三椏の蕾ひらく...
長塚節 「十日間」
...春季雜咏淡雪の楢の林に散りくれば松雀が聲は寒しこの日は筑波嶺に雪は降れども枯菊の刈らず殘れるしたもえに出づ淺茅生の茅生の朝霜おきゆるみ蓬はもえぬ茅生の淺茅に枝毎に三また成せる三椏(みつまた)の蕾をみれば蜂の巣の如春雨のふりの催ひに淺緑染めいでし桑の藁解き放つ海底問答二月八日の眞夜中より九月にかけて旅順の沖に砲火熾に交れば...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...懐中(ふところ)から三椏紙(みつまたがみ)を横に綴じた捕物帖を取出し...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...丈夫な三椏紙(みつまたがみ)で...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
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前田普羅 「普羅句集」
...三椏(みつまた)の花が咲き...
三好達治 「測量船」
...三椏(みつまた)を主な材料とします...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...大体紙料には雁皮と楮と三椏(みつまた)とがありますが...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...岩坂ではこれと共に楮でも三椏でも新しい紙が色々と試みられ...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...材料は純三椏である...
柳宗悦 「和紙十年」
...私が最も感心したのは上質の純三椏糸で繻子風に織り出した一種である...
柳宗悦 「和紙十年」
...官女のやうに典雅な「三椏」も...
柳宗悦 「和紙の教へ」
...雁皮(がんぴ)と楮(かうぞ)と三椏(みつまた)と...
柳宗悦 「和紙の美」
...三椏紙は左位を占める...
柳宗悦 「和紙の美」
...之に比べ三椏は紙境を柔らげる女性である...
柳宗悦 「和紙の美」
...三椏なくば紙は風情を減ずるであらう...
柳宗悦 「和紙の美」
...雁皮と楮と三椏と...
柳宗悦 「和紙の美」
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