...町会長小笠原三九郎氏の下に...
大下宇陀児 「乱歩分析」
...「通リ町ノチチブ屋三九郎ト云ウ者ガ、公儀ノキジカタ小遣モノノ御用足(ごようたし)ダガ、段々家ガ衰エテ来テ、今ハソノ株ガホカニモ出来テ、一向ニ御用モタサズシテ困ッテイルト高田藤五郎トイウ者ガ云ウカラ、段々聞イタラ、此節末姫様ガ薩州ヘ御引移リ故、右ノ御用ガキキタイト云ウ故ニ、オレガ骨ヲ折ッテ、御本丸ノ御年寄ノ瀬山サンヲ頼ンデ、末姫様ノ御引移リノ時ノ師匠番くれないサンヘ頼ンデ御用キキニシテヤッタガ、ソノ前ニ心願ガ出来タラ、紅サンヘ三十両、瀬山サンヘモ礼ヲスル約束故ニ、ソノコトヲ云ッテヤッタラ、紅サンハ大ノ慾バリ故、悦ンデチチブ屋ヘカンサツヲ渡シテ、先ズ七十両ノ御用ヲ申シ渡シタ故、右ノ金ヲヨコセトイウカラ、三九郎ヘ咄(はな)シタラ、イロイロ難渋ヲ云イオッテ、始メトハ違ッテ、オレノウチヘモ来タ故、三九郎ヲ呼ンデ、世話ノ変替(へんがえ)ヲシタ、ソウスルト早々御用モ下ルシ、カンサツヲ取上ゲハシマイト思ッテイルト、二三日タツトカンサツヲ取上ゲラレテ御用ノ物ハ不用ニナッタカラ、オレノ所ヘカケツケテ夫婦デ来タ、イロイロ云イオッタガ、始末ガカン気ニサワッタ故、ソレナソニシテイタラ、四十両バカリ損ヲシテ、ソノ上ニ大火事ニ焼ケテ裏店(うらだな)ヘハイッテイルト聞イタ、世ノ中ニハ三九郎ノヨウナ者ガ今ハイクラモアルカラ、油断ヲスルトクラウモノダ」六十八さて、これから勝のおやじの生れ家、男谷との間柄を書いてあるが、このおやじは前に言う通り、子供の時分から勝へ養子にやられ、件(くだん)の如(ごと)き馬鹿者であるから、成長したからとて、生家の兄貴共をてこずらせること容易でない...
中里介山 「大菩薩峠」
...何物も」奥平三九郎貞昌は...
吉川英治 「新書太閤記」
...結果は、三九郎貞昌に、より以上、絶対的な覚悟を与えただけである...
吉川英治 「新書太閤記」
...三九郎貞昌は、彼を見ていた眼をふと一同に移して、「ほかの者も聞け...
吉川英治 「新書太閤記」
...五日しかない兵糧(ひょうろう)を喰って」三九郎貞昌は...
吉川英治 「新書太閤記」
...三九郎貞昌は、すぐ被(ひら)いて、一読していたが、しきりとその手紙を鼻にあてて嗅(か)いでいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...三九郎貞昌より、岡崎の殿へ申しあげ、われらすべてここに討死いたすとも、きっとそちの子はお取り立てを願うておくぞ...
吉川英治 「新書太閤記」
...守将の三九郎貞昌も...
吉川英治 「新書太閤記」
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