...……猶(なお)も船の纜(ともづな)に取りつき...
芥川龍之介 「俊寛」
...かう言ふ議論も昔のものは取りつき悪いと言ふのならば...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...取りつきの井戸端に下駄や泥まみれのステッキをおいて...
伊藤野枝 「転機」
...天下を知ろしめす天皇は猪を待つと椅子に御座(ぎよざ)遊ばされ白い織物のお袖で裝うておられる御手の肉に虻が取りつきその虻を蜻蛉(とんぼ)がはやく食い...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...甘脆(かんぜい)軽快な読物にのみ慣れた読者には取りつきにくい点がなくもない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...女の主従は左右より屍に取りつき...
太宰治 「新釈諸国噺」
...少数の人はそこからまた新しい上り坂に取りつきあるいはさらに失脚して再び攀上(よじのぼ)る見込のない深坑に落ちるのであろうが...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...狭い段梯子を上つた取りつきの部屋であつた...
徳田秋聲 「歯痛」
...親たちもこの商売に取りつき...
徳田秋声 「縮図」
...揉手(もみで)をして取りつき...
中里介山 「大菩薩峠」
...冷酷で取りつきばのないものはない...
中村地平 「悪夢」
...土藏の二階に泊つてゐたのか」平次は第一の疑問に取りつきました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どうにも取りつき場がないわ」「眼が舞(ま)いそうだ...
林芙美子 「清貧の書」
...取りつき場もない程...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...非常に漠然と取りつき場もなく擴がつてゐるやうに思はれた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...「取りつき場がない/\! 放縦に祟られたんだ...
牧野信一 「蔭ひなた」
...門口の取りつきのかっこうなんず...
三好十郎 「樹氷」
...「取りつきようもない皆さんばかりでしたのに...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
便利!手書き漢字入力検索