...……猶(なお)も船の纜(ともづな)に取りつき...
芥川龍之介 「俊寛」
...取りつき端(は)に困つてしまひましたから...
芥川龍之介 「雛」
...取りつき端のないような景色よりも...
伊藤野枝 「転機」
...天下を知ろしめす天皇は猪を待つと椅子に御座(ぎよざ)遊ばされ白い織物のお袖で裝うておられる御手の肉に虻が取りつきその虻を蜻蛉(とんぼ)がはやく食い...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...山の根に取りつき...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...少数の人はそこからまた新しい上り坂に取りつきあるいはさらに失脚して再び攀上(よじのぼ)る見込のない深坑に落ちるのであろうが...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...波の上に頭をつき出してるその游泳者に取りつきたく...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...二十三 断食者と酩酊者(めいていしゃ)とのふたりの友ついに、短い梯子(はしご)を作り、階段の残骸(ざんがい)をたよりとし、壁を攀(よ)じ、天井に取りつき、引き戸の縁で抵抗する最後の者らを薙(な)ぎ払いながら、戦列兵と国民兵と市民兵とが入り交じってる二十人ばかりの襲撃者は、その恐ろしい登攀(とうはん)のうちに大部分は顔の形もわからないまでに傷を受け、血潮のために目も見えなくなり、憤激し、凶猛となって、二階の広間に侵入した...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そこでこんどは河岸(かし)をかえてお浜さんへ取りつきましたね...
中里介山 「大菩薩峠」
...取りつきどころもないが――実は僕も教頭として君のためを思うから云うんだが...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...どうにも取りつき場がないわ」「眼が舞(ま)いそうだ...
林芙美子 「清貧の書」
...取りつき場もない程...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...非常に漠然と取りつき場もなく擴がつてゐるやうに思はれた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...「取りつき場がない/\! 放縦に祟られたんだ...
牧野信一 「蔭ひなた」
...それでもあまりに取りつき場のないのに氣がついたやうに...
水野仙子 「嘘をつく日」
...取りつき所もないように源氏が悲しんで帰って行くことも...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...取りつき得なかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...お米も取りつきようがない...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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