...出窓に万年青(おもと)を置いたしもた屋の...
岩本素白 「寺町」
...万年青(おもと)の名品を五百鉢から持っていた物数寄(ものずき)であった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...相撲(すまふ)や万年青(おもと)のそれと同じやうに横綱もあれば...
薄田泣菫 「茶話」
...青いものは室の中の一鉢の万年青(おもと)きりだった...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...内(なか)には主人(あるじ)の宗匠(そうしやう)が万年青(おもと)の鉢(はち)を並(なら)べた縁先(えんさき)へ小机(こづくゑ)を据(す)ゑ頻(しきり)に天地人(てんちじん)の順序をつける俳諧(はいかい)の選(せん)に急(いそ)がしい処(ところ)であつた...
永井荷風 「すみだ川」
...いっそ万年青をよして柳にしてみようかというような気にもなり...
中里介山 「大菩薩峠」
...万年青ヲ愛スル富家翁ノ臭味ト一様...
※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]上漁史 「好古小言」
...とりどりさまざまな万年青(おもと)の鉢がかれこれ二三十...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...文久のはじめごろは猫も杓子も万年青つくり...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...朝から晩まで万年青の葉を洗って日をくらす...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...霧噴きは棚の下の木箱の中にある筈だ」職人はハッと万年青から手を離すと...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...万年青が枯れはじめたのがやはり五日前...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...くうた事のないのは杉の実と万年青(おもと)の実位である...
正岡子規 「くだもの」
...間もなく窓に現れた小僧は万年青(おもと)の鉢の置いてある窓板の上に登って...
森鴎外 「雁」
...手をひいてやりながらそろそろと万年青棚の前へつれて行く...
矢田津世子 「女心拾遺」
...明治の初年は例の万年青(おもと)の流行...
山本笑月 「明治世相百話」
...万年青(おもと)展覧会ほどある屋上庭園から降りて来て...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...万年青(おもと)に五十金...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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