...多少なり興奮してゐた一同の頭を一遍に和らげ...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...自分の現在のさま/″\の事も何もかも一遍にどこかへ消えて行ったかとさえ彼には思われたほどであった...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...そのくらい一切経を一遍にシナに持ってきたということはない...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...この建物くらいは一遍に吹っ飛んでしまう...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...一遍にお楽になりますよ」と...
谷崎潤一郎 「鍵」
...鋭い直観の力で一遍に当面の問題の心核を掴(つか)んでしまう...
寺田寅彦 「工学博士末広恭二君」
...そして而も一遍に絶対主義に立て籠って了う代りに――そうすれば一切の相対的な見方は永久に放擲される――...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...そういう形而上学的な一遍にして永劫な写しは実践的な唯物論と弁証法との関わり知らない処のものだ...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...実在は一遍にはその全貌をありのままに写され得ないことは明らかであり...
戸坂潤 「辞典」
...一遍に多数のモダーンボーイ失業者が出来上った...
戸坂潤 「社会時評」
...この新制度も王安石の時に一遍に生じたのでなくて...
内藤湖南 「近代支那の文化生活」
...全地方一遍に文化が出來上つた譯でない...
内藤湖南 「日本文化とは何ぞや(其二)」
...どこがちがうかなどということが一遍に分りやしないかな...
中谷宇吉郎 「続先生を囲る話」
...乱酔が一遍にさめてしまったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一遍に大金持になってやるぞなんていう偉い意気込みだったのだろう...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...よくいらしつたと一遍に顏ぢゆうを笑はせた...
室生犀星 「巷の子」
...あなたは同時にその女もわたくしも一遍に失ふことになります...
室生犀星 「はるあはれ」
...声となり耳にひびいて一遍に男の霊魂に徹(とお)ったのであった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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