...私の男色なぞはヒェーとばかりに一遍にすっ飛んでしまったが...   
橘外男  「ナリン殿下への回想」 
...一遍に重くもなれば...   
田中英光  「箱根の山」 
...下の子供が二人一遍に流感になり...   
谷崎潤一郎  「細雪」 
...物は一遍に現象するのではなくて...   
戸坂潤  「科学論」 
...之を客観的実在をそのまま一遍に全部的に模写し終ることが認識であるという主張だとして説明しているが...   
戸坂潤  「辞典」 
...日本という先進国の眼の前で、資本主義化されねばならぬ支那、三民主義から始めて蒋介石主義を含む建前から見た支那は、決して一遍に、而も単独で、資本主義化すことは出来ぬ...   
戸坂潤  「世界の一環としての日本」 
...ドイツの真の文化的水準の方は一遍にがた落ちをしたのである...   
戸坂潤  「世界の一環としての日本」 
...こんなに一遍に出揃うというのは何故だろう...   
戸坂潤  「友情に関係あるエッセイ」 
...全地方一遍に文化が出來上つた譯でない...   
内藤湖南  「日本文化とは何ぞや(其二)」 
...井戸の方では頻りにみんなが笑つて居るのでなにごとかと思つたら妹が鶩を内へ入れるのだと首の所を持つて十羽一遍に引き揚げたのを可笑しいといふのであつた...   
長塚節  「栗毛虫」 
...靴の皮が一遍にささくれだってしまう...   
中谷宇吉郎  「黒い月の世界」 
...そのうち段々手紙の遣(や)り取りが疎遠になつて、月に二遍が、一遍になり、一遍が又二(ふた)月、三(み)月に跨がる様に間(あひだ)を置(お)いて来(く)ると、今度は手紙を書(か)かない方が、却つて不安になつて、何の意味もないのに、只この感じを駆逐する為(ため)に封筒の糊(のり)を湿(しめ)す事があつた...   
夏目漱石  「それから」 
...一遍に叩き割られたように戸が開いて...   
野村胡堂  「銭形平次捕物控」 
...念仏一遍に覚悟するのが肝心じゃ...   
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」 
...一遍に共鳴(アン・ラポール)してしまいました...   
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」 
...あんまり一遍に教わり過ぎて...   
堀辰雄  「晩夏」 
...馬鹿に通り一遍になつたね...   
眞山青果  「茗荷畠」 
...声となり耳にひびいて一遍に男の霊魂に徹(とお)ったのであった...   
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」 
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