...『何でも一通り東京の事知つてなくちや...
石川啄木 「天鵞絨」
...此の部隊に関係ある電報は一通り目を通していたから...
梅崎春生 「桜島」
...まず私共の家庭の状態を一通り聞いて頂きます...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「あの顔」
...三人あるかないか位なのだからその骨折というものは一通りではなかったようである...
高浜虚子 「子規居士と余」
...これで一通り事情は分ったが...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...それがまた一通りの修行ではありませんでした...
豊島与志雄 「手品師」
...それらを一通り処理してしまったあとで...
中里介山 「大菩薩峠」
...米友はこうして家の周囲を一通り廻ってしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...私がその仔細(しさい)を一通りお聞き申しておきました...
中里介山 「大菩薩峠」
...講演が一通りすんで...
中谷宇吉郎 「清々しさの研究の話」
...吾輩は猫には相違ないが物の情(なさ)けは一通り心得ている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...兎も角檢屍の役人の來る前に一通り現場を見て貰ふことになつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どうやら一通りの芸を仕込まれると――四つ五つから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...泣いても笑つても一通りの弁疏(いひわけ)はしておかずばなるまいて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...もう一通り出来上つたからね...
北條民雄 「道化芝居」
...なみ一通りのものではない――聴けば御蔵前の脇田の高弟とのことだが...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...一通りでありません...
吉川英治 「三国志」
...勝家の愛し方は一通りでない...
吉川英治 「新書太閤記」
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