...一通りは人情の機微を知つたほんたうの大人(おとな)になることであります...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...二人とも一通りな心づかいではない...
芥川龍之介 「貉」
...一通りの報告を終えたあとで...
海野十三 「火星兵団」
...清川艦長はこのことを一通り部下に説明したのち...
海野十三 「太平洋雷撃戦隊」
...一通り検分の上無事に引揚げた...
江見水蔭 「備前天一坊」
...一通りはうまくできるのが判っている...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...あるいは某断層における地辷(すべ)りに起因するとかいうような事が一通り分れば...
寺田寅彦 「地震雑感」
...一通りの知識と熱心と忍耐と誠実があらば...
寺田寅彦 「物理学実験の教授について」
...一通り以上に述べたような分析をしてその結果を綜合しても事実上そう思った通りにならぬ場合がある...
寺田寅彦 「物理学の応用について」
...それは單に一通り現はれた所から申しましてもすぐ分ることでありますが...
内藤湖南 「應仁の亂に就て」
...もう本人は一通り修業が出来ているけれども...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...その品が偽り物ならば、偽り物、真実ならば真実と、一通り、掛役人にて取調べされるよう御指図なさるのが、月番の貴殿の役では」名越は、大きい声で、一息に、ここまで喋ると、将曹が、真赤になったかと思うと「黙れっ、黙れっ」と、叫んだ...
直木三十五 「南国太平記」
...一通り眼を通してしまうと...
中里介山 「大菩薩峠」
...このリンクの人工氷と湖の氷とのスケーターの脚に及ぼす感触の差の原因を物理学的に一通り説明するという一問題だけでも...
中谷宇吉郎 「スポーツの科学」
...兎も角檢屍の役人の來る前に一通り現場を見て貰ふことになつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お品の骨折りも一通りではありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...誰れにしろ一通りの Kunstwiss enschaft の素養が如何に大切なものかといふことを...
牧野信一 「浪曼的月評」
...一通り道具がそろっているが...
和辻哲郎 「人物埴輪の眼」
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