...一通りは味わって来た訳ですね...
芥川龍之介 「黄粱夢」
...これで一通りこの方は済んだ積(つも)りだ...
大阪圭吉 「カンカン虫殺人事件」
...そしてこの処理の中に一通りならぬ濃まやかな心づかいのこもっているのを感じないわけには行かなかった...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...看護婦は堯の顔にガーゼの切れをかけて室を一通り掃除した...
豊島与志雄 「生と死との記録」
...一通り目を通すと...
直木三十五 「南国太平記」
...そうして一通り、重要の復命か、相談かが済んだと思われる時分に、「日光街道で、変な奴に逢ったよ」これは余談として、一座の中の五十嵐甲子雄が発言であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼等が一通りの礼儀を心得るようになっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...女の意地というものがわかりませんのねえ」「一通りはわかっているよ」兵馬も...
中里介山 「大菩薩峠」
...一通りの用事も片付いた頃...
中谷宇吉郎 「寒月の「首縊りの力学」その他」
...一々説明をしながら必要なものを一通り揃えて下さったのである...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...卒業の成績だのを一通り聞いた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...清水さん、こっちのほうにも家具を入れて、一通り、設営してやんなさい...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...描くだけのことは一通りも二通りも描かれて居り...
牧野信一 「浪曼的月評」
...今年は私の生涯にとってなかなか一通りでない意味をもつ内的な問題が発展させられた年でした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ルリ君がその男を憎んでいるのが一通りや二通りでは無いからね...
三好十郎 「肌の匂い」
...怨(うら)むのが当然だと一通りは思われることでも...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...侍している君主のほうでもただ一通りの後宮の女性と御覧になるだけで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...理窟だけは一通り云うことが出来ても...
横光利一 「旅愁」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??