...その又騒ぎが、一通りではない...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...渡された通信の原稿を受け取つて來て、一通り目を通す...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...手廻りの道具に一通り目を通さねばなりませんでした...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...一通り貴答相認(したた)め候えども...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...ただみずから選択した一通りの問題をしか解き得ないのであって...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...で一通り見て廻った後...
豊島与志雄 「過渡人」
...衣服や書物や一通り身の廻りのものは揃ってるそうでしたが...
豊島与志雄 「香奠」
...一通り読み返したが...
豊島与志雄 「土地」
...わしはここでは、手荒いことはしませんよ、ただ今晩は、お前さんに、わしの心の丈(たけ)を聞いてもらいたいのだよ」「金蔵さん、おたがいに、もうそんなことをよしましょう、わたしは帰ります」「帰しません、一通り、わしのいうことを聞いてくれなければ、ここは動かせないのですよ、お豊さん……お前さんのために、わしがどれほど苦労したか、お前さんは知るまいねえ」金蔵はオロオロ声です...
中里介山 「大菩薩峠」
...お絹は以前のことを一通り叱言(こごと)を言ってみたりしたけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...侯爵の思いようも一通りではなかった...
長谷川時雨 「大橋須磨子」
...先ず一通り縷述(るじゅつ)しよう...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...総てを明確にするための会話が一通り済んだ後...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...楠山正雄譯イプセン集の六篇は一通り私の目を通したものである...
宮原晃一郎 「イプセンの日本語譯」
...一通りの計画を立てて置くのだから...
柳田國男 「歳棚に祭る神」
...始めに婆様に咳を治して下さいと一通り頼んでおいて...
柳田國男 「日本の伝説」
...捜索が一通り済んだ頃を見計らって...
夢野久作 「暗黒公使」
...胸を痛めました事は一通りでは御座いませなんだ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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