...芭蕉さへ一通り偉さがわかるやうになるのは...
芥川龍之介 「雑筆」
...それも一通りの消息を語るに過ぎなかった...
伊藤左千夫 「浜菊」
...併しそれが三つや四つの子供ではないのだから一通りの理屈は分る筈だと私は思ふ...
伊藤野枝 「貞操に就いての雑感」
...此の部隊に関係ある電報は一通り目を通していたから...
梅崎春生 「桜島」
...丁度今から一ケ月程前にそれが一通り完了したので...
海野十三 「地球発狂事件」
...いつとなく一通りの観賞眼は養われたように思います...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...彼は私の原稿を一通り見終って...
豊島与志雄 「交遊断片」
...今時の贋金(にせがね)まで一通り盗み並べてみたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...一通りその功名を誇ってから後に食いにかかる...
中里介山 「大菩薩峠」
...随分苦労なすつたでしよ? 一通りならない煩悶をなすつたわね...
長與善郎 「青銅の基督」
...石井三右衞門の使といふのが一通りでない上...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...五平次は一通り皆んなの言ひ分を聞きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...シナリオ一通り読んでみる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...その調査は一通りできているが...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...一通り事情をのべて...
宮地嘉六 「老残」
...作品評というものも一通りならぬものですね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この古今の移り替りを一通り承知した上でないと...
柳田国男 「木綿以前の事」
...軍務の苦労も一通りでない主君に...
吉川英治 「新書太閤記」
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