...内心の動揺は一通りでない...
伊藤左千夫 「春の潮」
...まず私共の家庭の状態を一通り聞いて頂きます...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「あの顔」
...一流料理店の苦心の一通りでないことはこれによっても察しられる...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...僕らも一通り揃えて持ち歩いたが...
谷譲次 「踊る地平線」
...佛教の事を一通り知るのには「四教儀集解標旨鈔」といふ本があつて...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...大木の上から事の体(てい)を一通り見下ろした米友は...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして一通り、重要の復命か、相談かが済んだと思われる時分に、「日光街道で、変な奴に逢ったよ」これは余談として、一座の中の五十嵐甲子雄が発言であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...その由緒来歴は一通り説明してみないとわからないでしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...そして翌(あく)る日ノコノコ千両受取りに出かけたんだから一通りじゃない」「…………」「もっともあの女は七人花嫁をさらった丹頂(たんちょう)のお鶴(つる)の妹だということだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お品の骨折も一通りではありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...とにかくにも一通りの作家となることができる...
萩原朔太郎 「青猫」
...一通りでない努力をしたと言ってる...
萩原朔太郎 「小泉八雲の家庭生活」
...牡丹屋では一通りのものを揃へてやつて...
堀辰雄 「ふるさとびと」
...一通り見てきてから...
松本泰 「日蔭の街」
...気息の使い方で見ると、一通り、武芸の心得もある奴らしいが――雪之丞は、とにかく、何かしら、陥し穴のようなものに、落ち込んでしまったと、ハッキリ思い知った上は、気を強めて、難場を切り抜けるだけの心支度をする外はないのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...雨風一通り過ぎて...
南方熊楠 「十二支考」
...本邦で蛇は一通りの殺しようで死に切らぬ故執念深いという...
南方熊楠 「十二支考」
...勝家の愛し方は一通りでない...
吉川英治 「新書太閤記」
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