...又の名十六日桜は親木が朽ちて若木がはかなくもたつた一輪の花をつけてゐた...
種田山頭火 「松山日記」
...あの右の手の何とも名状の出来ない活きた優雅な曲線と鮮やかに紅い一輪の花が絵の全体に一種の宗教的な気分を与えている...
寺田寅彦 「ある日の経験」
...一輪の花を摘んで黒い庇髪(ひさし)の鬢(びん)に插した...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ボタンの穴にさした一輪の花...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...君より受くる一輪の花のうちにこそ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...一輪の花のように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
......
原民喜 「魔のひととき」
...藪(やぶ)かげの一輪の花の消息にさえ...
久生十蘭 「キャラコさん」
...この一輪の花は建築場に詩趣を添えるほか...
久生十蘭 「魔都」
...胸の釦穴には色も婀娜(あだ)なる一輪の花さえしている...
久生十蘭 「魔都」
...胸に一輪の花をつけ...
久生十蘭 「魔都」
...その花梗末に一輪の花が着いているだけのことになっていて...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...サクラソウなどの花茎もそれである)が出てその頂に横を向いて一輪の花を着けている...
牧野富太郎 「植物記」
...その声は一輪の花のしずかな息のようであった...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「約束」
...余はたつた一輪の花を画いたのが成績がよくなかつたので...
正岡子規 「病牀六尺」
...卿らの憂鬱な業跡に一輪の花を咲かしめんと努力するわれわれに対して...
横光利一 「絶望を与へたる者」
...門の広場で一輪の花のような輪を造った...
横光利一 「花園の思想」
...――また、狭い小部屋の中で、一輪の花と、一服の茶だけで、その間、戦乱の世の中も、苦悩の人生も、ふと忘れて、濁世(じょくせ)のなかにも気を養うという術(すべ)を、理窟なく覚えていた...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索