...一輪の花の微笑が身に沁(し)みる...
太宰治 「パンドラの匣」
...人を、いのちも心も君に一任したひとりの人間を、あざむき、脳病院にぶちこみ、しかも完全に十日間、一葉の消息だに無く、一輪の花、一個の梨(なし)の投入をさえ試みない...
太宰治 「HUMAN LOST」
...異境に培(つちか)われた一輪の花の...
田中英光 「オリンポスの果実」
...人間の大きさを持った一輪の花の如きものは...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...あの右の手の何とも名状の出来ない活きた優雅な曲線と鮮やかに紅い一輪の花が絵の全体に一種の宗教的な気分を与えている...
寺田寅彦 「ある日の経験」
...永久に変わらない心を象徴する一輪の花を送るかすれば...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あたかも薔薇(ばら)の木から一輪の花が咲き出すように...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この遥かなる下から見上げても一輪の花は...
夏目漱石 「草枕」
...いよいよ百日紅が散って一輪の花もなくなっても当人平気でいるから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...藪(やぶ)かげの一輪の花の消息にさえ...
久生十蘭 「キャラコさん」
...この小花が集まって一輪の花を形作っている...
牧野富太郎 「植物知識」
...その声は一輪の花のしずかな息のようであった...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「約束」
...一輪の花はうすい黄色と緑...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...机の上に美しい一輪の花と写真でもおいて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あの晴やかな顔と云ふ一輪の花を添へてゐる...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「不可説」
...卿らの憂鬱な業跡に一輪の花を咲かしめんと努力するわれわれに対して...
横光利一 「絶望を与へたる者」
...一輪の花をそえている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...たゞ少かにその窓口から覗いてゐる一輪の花弁に過ぎない...
吉田絃二郎 「沈黙の扉」
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