...そのシンガポールの港を出ると、それまでは東へ進むとはいえ、ひどく南下航路をとっていたのが、ここで一転して、ぐーっと北に向く...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...やがてくるりと一転して下向きになるとともに...
海野十三 「怪塔王」
...その勢い一転してまた未曽有(みぞう)の大改革たる廃藩置県の一英断を来たせり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...噂が一転して姙娠となると...
豊島与志雄 「化生のもの」
...それから話は一転して...
豊島与志雄 「坂田の場合」
...」第一次世界大戦後から、現在までの、日本の社会情勢とか時代思潮とか人心の帰趨とか、そのようなものから、一転して、政治の欠陥、つまり根本的な責任感の欠除を追求し剔決してみたい...
豊島与志雄 「聖女人像」
...一転して享楽主義の論となり...
豊島与志雄 「反抗」
...私はいつもあの三ツ山を仰いで黙想をつづけています」客は心機一転して去る...
永井隆 「長崎の鐘」
...また道庵先生が一転して...
中里介山 「大菩薩峠」
...従ってその執筆は民国革命進行中だったことを想起せねばならぬ)を嗤(わら)い、一転して、当時の世界情勢、就中(なかんずく)欧米列強の東亜侵略の勢を指陳(しちん)して、「今や支那分割の勢既に成りて復(また)動かすべからず...
中島敦 「斗南先生」
...ただこの順境が一転して逆落(さかおと)しに運命の淵(ふち)へころがり込む時...
夏目漱石 「野分」
...一転してそれより寒き運命渡ると死に向ふ心細さを印し以て人間の歌たらしめてゐるのであるが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...妄想は一転して倫理教育の上に至る...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...併し又一転して考へて見ると...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「駆落」
...運勢一転して、再び彼が群衆の間に落ちてそれと一緒になると、急に皆は驚いて、一体どんな原因が彼をああいう高いところにひっぱり上げたのであったかといぶかる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...さらに一転して個人的立場の欠陥を次のようにも見ることができる...
柳宗悦 「工藝の道」
...ふと話題を一転して...
吉川英治 「親鸞」
...壁はクルリと一転して...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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