...一転して殺人の実行に移らんとす...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...これが一転して玩具化したのである...
淡島寒月 「土俗玩具の話」
...坪内博士が一と言いうと直ぐ一転して「そんな事も考えたが実は猶(ま)だ決定したのではない」と打消し...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...そして砲口は一転して...
海野十三 「海底大陸」
...一転して墓場のような静寂が訪れた...
海野十三 「恐怖の口笛」
...一転して経済的に利権の獲得を試みた...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...問題はここに一転して...
高神覚昇 「般若心経講義」
...そうして「宵(よい)の内はらはらとせし月の雲」(芭)と一転しているのは一見おとなしいようでもあるが...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...その勢い一転してまた未曽有(みぞう)の大改革たる廃藩置県の一英断を来たせり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...高橋哲学に於ける全体的有が一転して「絶対無」と呼ばれ得ることも興味のある現象だということになる...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...」軽い驚きから一転して...
豊島与志雄 「裸木」
...私はいつもあの三ツ山を仰いで黙想をつづけています」客は心機一転して去る...
永井隆 「長崎の鐘」
...従ってその執筆は民国革命進行中だったことを想起せねばならぬ)を嗤(わら)い、一転して、当時の世界情勢、就中(なかんずく)欧米列強の東亜侵略の勢を指陳(しちん)して、「今や支那分割の勢既に成りて復(また)動かすべからず...
中島敦 「斗南先生」
...禅機などから一転して急に世からのがれたくなったのではない事はあんまり知れすぎていた...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...一転して異性の汚物愛好(コプロラグニー)に進み...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...和歌のはなしから始まって、国学に及び、文学を語り、飛鳥(あすか)、奈良朝あたりの仏教美術から近頃わけて流行の茶事(ちゃじ)を評し、一転して、笛、蹴鞠(けまり)のこと、また食味や旅のはなしなどにまでくだけて、夜に入るも知らなかったが、やがて燈(ともし)を見ると、「いや初めてのお訪ねとも覚えず、ついはなしの面白さに」と、長居を詫(わ)びて帰ってしまった...
吉川英治 「新書太閤記」
...それゆえ、主人(あるじ)は閑(ひま)の多い体で、間(ま)があれば神社仏閣に詣でたり、湯治に日を暮したり、名所を見たりするのが道楽なのでござりましてな――今度も、多分、善光寺から、越後路を見物して、江戸へはいるのではないかとは思いますが」「では、お分りにならぬのか」「とんともう、はっきりと、行く先をいって出た例(ためし)のないお方で」それから、番頭は、「まア、お茶をひとつ」と、一転して、店からそこまで、歩くにもかなりかかるような奥へ茶を取りにはいって行ったが、武蔵は、ここに落着いている気にもなれない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――一転して振り向くと...
吉川英治 「宮本武蔵」
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