...他愛のない夢から一足飛びにこの恐ろしい現実に呼びさまされた彼れの心は...
有島武郎 「カインの末裔」
...『新著百種』は一足飛びに出版界の一枚看板となり...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...陽には磊落(らいらく)らしく見えて実は極めて狭量な神経家たる紅葉は美妙が同人に抜駈(ぬけが)けして一足飛びに名を成したのを余り快よく思わなかったらしい...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...元来如何なる器官でも突然一足飛びに発達するものではなく...
丘浅次郎 「人類の将来」
...一足飛びに上手(じょうず)になって...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...女髪結の娘でも縹緻(きりょう)がよければ一足飛びに奥さんにするとかいう風であったから...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...一足飛びにやったって何になろう? ピラミッドは頂から作り始めるものではない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...梯子(はしご)を一足飛びに降りようとして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一足飛びに路地の外へ――...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一足飛びに二階へ行きます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それまで一度も舞台を踏んだことのなかった身が一足飛びに...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...殆ど一足飛びで駆け込むに至つた...
牧野信一 「街角」
...彼からの最近の伝へに依ると彼女のサービス振りは抜群の成績で間もなく一足飛びに昇給するであらうといふことで...
牧野信一 「三田に来て」
...一足飛びに大卓子(テーブル)をめぐって部屋の外へ飛び出した...
夢野久作 「白菊」
...一足飛びに玉垣の前に来て立ちましたが...
吉川英治 「江戸三国志」
...と、思うと、一足飛びに、「待てッ」と、その刃物の穂先が、追いつきざまに空(くう)を走って、お蝶の肩を貫こうとしましたが、彼女も察していたことなので、身を沈めると共に振顧(ふりかえ)って、「何をするのさッ、あぶない!」帯の間からつかんだ物を少年の顔へぶつけて走り去りました...
吉川英治 「江戸三国志」
...けれど、数千年の進歩も、実はまだ、尻ッ尾の痕のある人間だけに、大きな社会的堕落を来すと、一足飛びに、もとの原始人へ還元(かんげん)してしまう可能性は多分にある...
吉川英治 「大岡越前」
...我れ知らずもう一足飛び退いたところを...
吉川英治 「剣難女難」
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