...一足飛びに夏が来た...
有島武郎 「カインの末裔」
...陽には磊落(らいらく)らしく見えて実は極めて狭量な神経家たる紅葉は美妙が同人に抜駈(ぬけが)けして一足飛びに名を成したのを余り快よく思わなかったらしい...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...戯作の低位から小説が一足飛びに文明に寄与する重大要素...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...自動車に乗込みさへしたらその儘一足飛びに往(ゆ)きつかれるものだと思つてゐるのだ...
薄田泣菫 「茶話」
...一足飛びに上手(じょうず)になって...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...しかも気持は一足飛びに少年の昔に遡(さかのぼ)って...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...「吾輩(わがはい)は猫である」で先生は一足飛びに有名になってしまった...
寺田寅彦 「夏目漱石先生の追憶」
...それはブルジョア・デモクラシーというものの実現を抜きにして一足飛びに何かの大衆を考えるということにならざるを得ない...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...だが一足飛びに常識学派の場合に来た方が吾々の話しが簡潔になる...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...当時は一足飛びに目標も手段も決定してしまった...
中谷宇吉郎 「北海道開発に消えた八百億円」
...それじゃ一足飛びに十時にしてしまいましょう...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...その絶頂から死へと一足飛びにしたのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一足飛びに平民の世界がくるように思えていて...
長谷川時雨 「最初の外国保険詐欺」
...絹子は自分が一足飛びに不幸な渕へ立つたやうな気がしないでもないのである...
林芙美子 「幸福の彼方」
...一足飛びに活動俳優の愛好者になつてしまつた...
牧野信一 「失題」
...かれはその瞬間に一足飛びにかれはかれ自身の...
室生犀星 「みずうみ」
...一足飛びに大卓子(テーブル)をめぐって部屋の外へ飛び出した...
夢野久作 「白菊」
...一足飛びに僕が気付かなかった欄外記事と結び付けて...
夢野久作 「暗黒公使」
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