...で、六が砂まぶれの脚絆をすじりもじって、別荘の門を通ったのと、一足違いに、彼は庭下駄で、小石を綺麗に敷詰めた、間々(あいあい)に、濃いと薄いと、すぐって緋色なのが、やや曇って咲く、松葉牡丹(まつばぼたん)の花を拾って、その別荘の表の木戸を街道へぶらりと出た...
泉鏡花 「浮舟」
...一足違いで間に合わず...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...あなたが恨みをいいたかった人は、一足違いで、死骸になってしまったらしいですよ...
海野十三 「断層顔」
...一足違いで、僕が飛び込んだのです...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...「一足違いだッた...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...今朝は別して師匠の事が気に掛って何んだか一刻半刻を争うように思われたので……一足違いで師の臨終に逢えないような気がしたので...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...一足違いで密閉を免れたお品は...
大阪圭吉 「坑鬼」
...一足違いで君に逢えなかった...
中里介山 「大菩薩峠」
...たった一足違いでねえ君...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...とにかく一足違いだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...一足違いだったよ」「会場へなんかまだ行くものか...
松本泰 「日蔭の街」
...貴方が一足違いで築地の八方館をお出かけになった後(あと)でした...
夢野久作 「冥土行進曲」
...一足違いで貴方を取逃がされたのを非常に残念がり...
夢野久作 「冥土行進曲」
...一足違いで惜しいことをいたした」「何しろうつつの病人ですから...
吉川英治 「江戸三国志」
...それと一足違いに登って来て...
吉川英治 「大岡越前」
...浅草笊組(ざるぐみ)にいるお延という女と一足違いに...
吉川英治 「剣難女難」
...しまった! 一足違いに前へ行く多市の影へ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...皆が飛出すと、一足違いに、ドッと梁(はり)が落ちて、金色(こんじき)の火の子が、パッと花火のように散った...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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