...長篇「暗夜行路」を一貫するものは実にこの感じ易い道徳的魂の苦痛である...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...純一なる力を以つて自己の生活を一貫するを得ざる自らの迷妄を恥ぢざるを得ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...各々箇立していて一貫する脈絡を欠いている...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...即ち吾人は冥(ようめい)にして窮(きわ)むべからざる無限のタイムを一貫する長き長き連鎖の中の一体を成すものであって...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...甞つて僕は、歴史を一貫する、そして今日では資本家階級と労働者階級との形式によって現わされている、彼の「征服の事実」を説いて、「敏感と聡明とを誇ると共に、個人の権威の至上を叫ぶ文芸の徒よ...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...此説話も亦た首尾一貫するが如しと雖も...
高木敏雄 「比較神話学」
...寧ろこうした偶然性乃至可能性を一貫することによってしか実現しない処の...
戸坂潤 「科学論」
...併し何れも幾何学なる名に於て統一されている以上それを一貫する何ものかがあってそれがその区別を与えているのでなければならぬ...
戸坂潤 「幾何学と空間」
...社会に於ける物質的生産技術への媒介によって、そのカテゴリーを整備し、その推論と検証とを怠らぬものが、文化を一貫する、そして近代文化を特色づける、動かすべからざる精神であると、私は答える...
戸坂潤 「技術的精神とは何か」
...文芸から始めて一切の芸術に一貫するものであり...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...つまり一切の人間的認識を一貫する枢軸なのだ...
戸坂潤 「哲学の現代的意義」
...従ってここに一貫する哲学的見地は...
戸坂潤 「読書法」
...本篇三箇を一貫するものは...
戸坂潤 「読書法」
...ばかりでなく人類の歴史的経験を一貫するスケールに於て...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...首尾一貫する思想なり意思なりを持続することは甚だ少く...
豊島与志雄 「立枯れ」
...これはカッシラーにまで一貫する方法である...
中井正一 「美学入門」
...人は決してそんな単純な形容詞で一貫するような性格を持っているものでは無いのだ...
宮本百合子 「概念と心其もの」
...これを支配すべき因縁果の理法ありて一貫するさま是なり...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
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