...将軍家は事のあらましをお聞きになり一議に及ばず...
太宰治 「右大臣実朝」
...私は一議に及ばず引き受けたのであったが...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...祀(まつ)りあがめる人が出て来れば米友は一議に及ばず...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの女は一議に及ばずここへやって来る...
中里介山 「大菩薩峠」
...一議に及ばず馳(は)せ参じました...
中里介山 「大菩薩峠」
...友さんや」「おーい」一議に及ばず...
中里介山 「大菩薩峠」
...一議に及ばずその好意を受けてしまったが...
中里介山 「大菩薩峠」
...渡りに舟」一議に及ばず...
中里介山 「大菩薩峠」
...「行こう」神尾が一議に及ばず賛成したものですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...「金剛語菩薩(こんごうごぼさつ)即ち無言語菩薩(むごんごぼさつ)、声明の奥義を極めんとならば、まず声なきの声を聞くべし、幸いにこの律呂(りつりょ)の川の上に音なしの滝がある、音なしの滝に籠(こも)って、無音底の音を聞く気はないか」かように申されました時、弁信は、一議に及ばず、これこそ望むところとあって、直ちに翌日の明星をいただいて坊を出で、音なしの滝に詣(まい)りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...一議に及ばずかしこまりましたということになったのであった...
中谷宇吉郎 「霜柱と白粉の話」
...今では誰も、一議に及ばず、そう読むし、私自身も、ふりかなをつけるような場合は、チョウイチと書くことにしている...
野村胡堂 「胡堂百話」
...奉公人たちにそっと訊くと、庄司家の若様林太郎が行方(ゆくえ)知れずになった時は、主人平馬もお嬢さんのお礼も、さすがに驚いた様子でしたが、親類たちの口入れと、庄司右京の望みで、養子助十郎へそのままお礼を嫁にと懇望(こんもう)されると、一議に及ばず、渡りに舟で応じ、それっきり林太郎のことは忘れてしまって、行方を捜す様子もないことが判りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...迎えにやれば一議に及ばず駆けつけてきた...
久生十蘭 「金狼」
...そしてこの点に関する研究をもって自ら神聖なりとする原則の侵害なりとして一議に及ばず拒否する人でなければ...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...「一議に及ばずだね」重兵衛は手を打たんばかりに...
山本周五郎 「山彦乙女」
...一議に及ばず承引(うけひ)きつ...
夢野久作 「白くれない」
...百万円の全部をあなたに捧げても構いませんから……」名探偵は一議に及ばず引き受けた...
夢野久作 「夫人探索」
便利!手書き漢字入力検索