...同じ年ごろの女の子とはいつでも一調子違った行きかたを...
有島武郎 「或る女」
...一調の番組を勤め済まして...
泉鏡花 「歌行燈」
...即於二南光坊一調美之体...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...説明に一調子かわったところのあるこの弁士にも好感はもてたが...
徳田秋声 「縮図」
...驚くべき統一調和があった...
豊島与志雄 「椎の木」
...王侯ニ任ゼズ、自如トシテ以テ意ヲ行フベシ……エヘン――」と咳払(せきばら)いをしてから、また急に思い出したように、五六枚はね飛ばして、一調子張り上げ、「身、五民ノ外ニ処シテ、或ハ貴(き)ニヨク、或ハ賤(せん)ニヨシ、上ハ王皇ニ陪シテ栄ト為サズ、下ハ乞児(きつじ)ニ伍シテ辱ト為サズ、優游シテ以テ歳ヲ卒(をは)ルベキモノ、唯我ガ技ヲ然(しか)リト為ス……エヘン」ここでも、わざとしからぬ咳払いを一つして、荘重(そうちょう)に句切りをつけましたが、急に大きな声で、「ナムカラカンノトラヤアヤア」と叫び出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼は須永(すなが)の口から一調子(ひとちょうし)狂った母子(おやこ)の関係を聞かされて驚ろいた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...「額の男」の興味は全く此連續した一調子變つた意見(オピニオン)から出る刺激だと云はなければならない...
夏目漱石 「「額の男」を讀む」
...先刻(さっき)から一言葉(ひとことば)ごとに一調子(ひとちょうし)ずつ高まって来た二人の遣取(やりとり)は...
夏目漱石 「明暗」
...彼は笑うたびに一調子(ひとちょうし)ずつ余裕を生じて来た...
夏目漱石 「明暗」
...沢村源之助の「一調子二芸三男」といふ言葉があるが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...一調一高(いっちょういっこう)...
牧逸馬 「助五郎余罪」
...その鼓の一調を聞いた...
松本たかし 「松本たかし句集」
...又、この間或る屋敷で同じく仕舞を見、一調を聞いた...
松本たかし 「松本たかし句集」
...其の仕舞にも一調にも...
松本たかし 「松本たかし句集」
...第一調子が出ないし...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...或る時翁は藤堂伯(先代)から召されて「蝉丸」の道行の一調謡の御所望を受けたが...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...無事に一調が済んでお次の間に退くと利三郎氏は余程驚いたものと見えて...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
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