...彼の行動からは一脈も訝しむ余地がなかった...
...この芸術品には一脈の方向性が見られる...
...新しいビジネスを始めるためには、一脈のアイデアが必要だ...
...彼女の作品には一脈の感性が表れている...
...将来への展望が見えない中で、一脈でも見つけ出すことが大切だ...
...春風(しゅんぷう)の底に一脈の氷冷(ひれい)の気を感じて...
芥川龍之介 「或日の大石内蔵助」
...わたしの後輩はやはり一脈の気を通わしているではないか...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...一脈通ずるものがあるのである...
谷譲次 「踊る地平線」
...どこか家風の結果といふやうな一脈の潔癖さが混交してゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...また一方においては西欧のユーモアと称するものにまでも一脈の相通ずるものをもっているのである...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...かつて私の発表した意見(『技術の哲学』〔前出〕参照)に対する根本的な批判が一脈貫いていたようにも考えられる...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...マイュの下水道の一脈が...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...国府台から中山を過ぎて船橋の方へと松林に蔽はれた一脈の丘陵が延長してゐる...
永井荷風 「畦道」
...國府臺から中山を過ぎて船橋の方へと松林に蔽はれた一脈の丘陵が延長してゐる...
永井荷風 「畦道」
...血の氣のしづまりきらない三河系統の旗本の一脈が...
長谷川時雨 「凡愚姐御考」
...でも何か一脈の淋しい流れが胸にあった...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...ここの製作所に一脈の新鮮さを齎(もたら)し...
原民喜 「壊滅の序曲」
...たとひ何十人あらうとも彼等と彼等との間には一脈の情味が流れ通うて居るが...
平出修 「夜烏」
...その凄慘な感じのうちに一脈の云ひしれぬ sweetness を湛へた手記を讀んでゐるうち...
堀辰雄 「高原にて」
...土細工の鳩笛の音は単調ではあるが一脈の哀音をもつてゐる...
牧野信一 「貧しき日録」
...独特なそこはかとない一脈の甘苦い哀音が漂うてゐる韻律に酔はされて...
牧野信一 「雪景色」
...彼は、この作品ではこれまでのものとは稍おもむきを変へて、いろいろな人の立場から、人間の性慾といふものをとりまいて、一脈の、春らしいムードをつくりあげることに、かなりの努力をはらひ、仲々の手腕を示してゐる...
牧野信一 「浪曼的月評」
...彼の老いた血にも一脈の熱と若さを覚えさせてくる待望のものだった...
吉川英治 「三国志」
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