...後には省作が一筋に思い詰めて危険をも犯しかねない熱しような時もあったけれど...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...一筋に無念でならぬのだ...
伊藤左千夫 「春の潮」
...一筋にこう考えつめて来て...
伊藤左千夫 「廃める」
...一筋に思うその心が君を不仕合わせにするのだ...
伊藤左千夫 「廃める」
...句はやらずにはゐられない……たゞ此一筋につながる...
種田山頭火 「其中日記」
...煙草の先から出る紫の煙が一筋にすーと立ち昇ってゆく...
豊島与志雄 「未来の天才」
...甲野さんの日記の一筋にまた云う...
夏目漱石 「虞美人草」
...ツーと一筋に糸をぬくのがすきだ...
長谷川時雨 「西川小りん」
...九州から只一筋に汽車でこゝまで來ただけでは...
林芙美子 「雨」
...それを一筋に最後まで押し進めていつたことに尽きる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...道は遠くこの一筋に尽きて...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...彼の頭は夕立よりもはるか上の方にあったので、髪の毛一筋にも、雨のしずくはかかっていませんでした!巨人はハーキュリーズがまだ海岸に立っているのを見ると、彼にむかって、また怒鳴り出しました...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...その上を私の足跡だけが、一筋に、はらはらと小魚のやうに滾(こぼ)れてゐます...
牧野信一 「晩春の健康」
...これからはただ一筋に戦いに勝つために...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...赤き氈(かも)を一筋に敷きたる大理石(マーブル)の階(きざはし)をのぼりぬ...
森鴎外 「文づかひ」
...前の山の樹木がまた一筋に左右に分かれて...
柳田国男 「山の人生」
...河原の水は大きな一筋にしかなっていないが...
吉川英治 「上杉謙信」
...琵琶一筋に生きようなどと...
吉川英治 「私本太平記」
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