...一瞬の間(あいだ)の出来事だった...
芥川龍之介 「お時儀」
...凡てのわしの信心が一瞬の間に消えた事――是等の事は...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...けれども歌は一瞬の間(あひだ)にいつか僕を捉(とら)へてゐた否定の精神を打ち破つたのである...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...――かう云ふ思案が、青年の死とは、全く独立して、一瞬の間、先生の心を煩はした...
芥川龍之介 「手巾」
...そは一瞬の間の事にて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...しかも一瞬の間に誰がこんなに取り散らしたかと思うくらい...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...一瞬の間に音たてて...
橘外男 「仁王門」
...一瞬の間、万事終るでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一瞬の間に縮める...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...一々の品を一瞬の間みつめた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...一瞬の間に私の空想を吹き拂つてしまひます...
水野仙子 「道」
...ふと久し振りに大金を儲けた楽しさからたとえ一瞬の間でも良い儲けた金額を持ってみたいと主人がいったのでつい油断をして同情してしまい...
横光利一 「機械」
...總てそれ等のことは一瞬の間に...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...會ひ難き一瞬の間において...
吉川英治 「折々の記」
...一瞬の間にやんでしまった...
吉川英治 「三国志」
...院の御所とか、六波羅(ろくはら)の館(やかた)とかまた平家の門葉(もんよう)の第宅(ていたく)には、夜となれば月、昼となれば花や紅葉、催馬楽(さいばら)の管絃の音(ね)に、美酒と、恋歌(こいうた)の女性(たおやめ)が、平安の夢を趁(お)って、戦いと戦いとの、一瞬の間を、あわただしく、享楽しているのであったが、一皮(ひとかわ)剥(む)いた京洛(みやこ)の内部には、こうした、飢(う)えと飢えとの寄り合い家族と、家なき浮浪人が、空寺(あきでら)、神社、辻堂、石垣、およそ屋根と壁の形さえあれば――そして住む主(ぬし)さえいなければ――巣を作って、虫螻(むしけら)のごとく、獣(けだもの)のごとく、生きていた...
吉川英治 「親鸞」
...怪物はどうして忍び込んだんだろう? あの鍵と閂をどうして外したろう?』しかしルパンは一瞬の間に自分のとるべき行動を決定した...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
...皆が一瞬の間戸惑つてゐると...
和辻哲郎 「西の京の思ひ出」
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