...その時一番に驚いたのは人間の多いことでしたが...
石川三四郎 「浪」
...「博士はもう一番にここまで来たんだ...
江見水蔭 「月世界跋渉記」
...いの一番に覘われているところだったね」二人は無邪気に笑い合った...
田中貢太郎 「雨夜続志」
...ここへ来た時第一番に氷水を奢(おご)ったのは山嵐だ...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...――第一番に、入口の輪飾りが引っくり返って、裏の方を見せていたろう」「ヘエ――」「縁喜物(えんぎもの)を裏返しに掛けるあわて者がどこの世界にあるものか――空樽を踏台にして、やっと手の届くところだから、子供のしたことじゃねえ」「なるほどね」ガラッ八は長い顎を撫でました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「その幸右衞門は來てゐるのか」「第一番に飛んで來て...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...第一番に、二年も使はないといふ黒衣が、埃を冠つてをりますが、疊み目も崩れて衣裳棚へ抛(はふ)り込んであり、道具裏には天井から下がつた太繩が三筋も四筋もある上、壁や羽目に足掛りがあつて、輕業師ならずとも、繩を手繰つて容易に登れさうだと言ふのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...第一番に縁の下に役り込んであつた血だらけの玄翁(げんのう)を文七が見付けてくれます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「第一番に、藤屋さんが、ひどく人に怨(うら)まれるやうな覺えはないだらうか」平次の第一の問ひはあまりにも定石通りでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...第一番に駆けつけたお峰の手が抜いたという脇差が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あした局へ行って一番に送ってあげよう...
林芙美子 「新版 放浪記」
...脳細胞をしびらせるような深刻なものを一番に要求する...
平林初之輔 「伊豆の国にて」
...第一番に、庭の方に向いている、家の正面だけを警戒したら足るようにと、裏の方のジュフレノアイ街に向いた方は、下から上まで、窓も入口もすっかり壁を塗りつぶしてしまった...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...こいつ今の間(うち)にどうにか禦(ふせ)いで置かなきゃいかんわい……それにはロシア語が一番に必要だ...
二葉亭四迷 「予が半生の懺悔」
...こんな光景は第一番に浮んだ……...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...いの一番に傍聴席(ぼうちょうせき)にはいった...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...因つて相談して三人の妃の内一番に食事を工人に運び來る者を築き込もうと定めた...
南方熊楠 「人柱の話」
...当世の語で鞍部(あんぶ)を通るのが一番に楽である...
柳田国男 「峠に関する二、三の考察」
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