...物好きの男が第一番に正体を見あらわしてやらんと...
井上円了 「おばけの正体」
...ビスカはこの一隊のうちでは一番に年嵩(としかさ)の土人でもあり...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...物のわけをも知(しら)ぬ者ども、小肘(こひぢ)つかんで引立(ひつたて)、車一両に二三人づゝ引のせ奉るさへに、若君姫君の御事さま、扨(さて)も/\と云(いは)ぬ者なく、其身の事は不レ及レ申、見物の貴賤も(どつ)と鳴(なき)出、しばしは物のわけも聞えざりけり、世に在(おはし)し時は、花やかなる有さまにて有べきが、昨日は今日に引かはり、白き出立(いでたち)の外はなし、若君姫君をお乳人(めのと)にも、はやそひまいらせず、御母おやの膝の上にいだき給ひしに、何心もなく、おち(お乳の人)もこゝへなんとのたまふの、いたひけさ、あはれさ、此上あらん共(とも)覚え侍らず、三条河原に着しかば、車よりいだきおろし奉りぬ、各秀次公の御首の前へ、我おとらじと、はら/\とより給ひ、ふしおがみ候しさまあさからず見えにけり、一の台と申は、菊亭右府の息女なれば、いづれもよりは上におはしけり、行年三十四歳、今度の御謀反(むほん)の沙汰ゆめ/\なき事を、増田石田がさゝへに、かくならせ給ふ事のあはれさ、是非なくおぼして、かくなん心にもあらぬ恨みは濡衣(ぬれぎぬ)のつま故かゝる身となりにけり或は云う、一番には、上(じやうらふ)の御方一の台の局、前の大納言殿御娘、御年は三十路(みそぢ)に餘(あま)り給へども、御かたち勝(すぐ)れ優にやさしくおはしければ、未だ二十ばかりにぞ見え給ふ...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...女には何より一番におそれがなくちゃならんて...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...えゝ?」そう聞かれると一番に浮ぶのは...
直木三十五 「新訂雲母阪」
...第一番に馳(か)けつけて...
夏目漱石 「それから」
...威勢(いせい)よく一番に飛び込んだ...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...この学校が出来て最も新らしい所へいの一番に乗り込んだ者は私――だけではないが...
夏目漱石 「模倣と独立」
...いつも一番に思い出すのは...
野上豊一郎 「エトナ」
...――第一番に、入口の輪飾りが引つくり返つて、裏の方を見せて居たらう」「へエ――」「縁喜(えんぎ)物を裏返しに掛けるあわて者が何處の世界にあるものか――空樽を踏臺にして、やつと手の屆くところだから、子供のしたことぢやねえ」「成程ね」ガラツ八は長い顎(あご)を撫でました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...二階へ上がつて見るとあの始末だ」「第一番にどんなことをした」平次は爺やの耳元で聲を張上げました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...第一番に、二年も使はないといふ黒衣が、埃を冠つてをりますが、疊み目も崩れて衣裳棚へ抛(はふ)り込んであり、道具裏には天井から下がつた太繩が三筋も四筋もある上、壁や羽目に足掛りがあつて、輕業師ならずとも、繩を手繰つて容易に登れさうだと言ふのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...第一番に駆けつけたお峰の手が抜いたという脇差が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...第一番に槍玉にあげてやるところだよ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...必ず第一番に註文するのは...
古川緑波 「神戸」
...自分が外國生れ故イの一番に殺された由...
南方熊楠 「人柱の話」
...只何れにするも不徹底が一番にいけない...
宮原晃一郎 「愛人と厭人」
...わたしが一番に弟子入をします...
森鴎外 「渋江抽斎」
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