...彼女は全身の血がみんな逆上することを感じながらドキ/\する胸をおさへた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...これに触れると知らず知らず逆上する...
井上円了 「おばけの正体」
...と逆上するほど邪推がこみあげて来た...
武田麟太郎 「現代詩」
...その小言を彼等に聞かれはしないか――そう思うと私は血が逆上するのを覚えました...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「無駄骨」
...縁側へ日が強くさして何だか逆上する...
寺田寅彦 「高知がえり」
...もう逆上することもないであろう...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...逆上すると槍を取るのが神尾の癖であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...だからもし逆上する者があらば血液よりほかにはあるまいと思われる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...逆上する性質がはなはだ我が同胞の間には広がっていると思う...
新渡戸稲造 「自警録」
...実に詰(つ)まらぬことに逆上する傾向が多いことを目撃(もくげき)もし...
新渡戸稲造 「自警録」
...こんな時逆上すると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...気の弱いやつらはこの亡霊を眺めて逆上する...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...わけても音七は逆上する気味があるので...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...まるで業が未熟である癖に矢鱈に気どつた型(かたち)ばかりを執つて逆上するので...
牧野信一 「武者窓日記」
...以前のように逆上するほどの怒りは感じられなくなった...
山本周五郎 「さぶ」
...逆上すると狂人のようになる...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...逆上するような気持で心に祈った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...白々と」「逆上するな...
吉川英治 「私本太平記」
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