...フードセンサーで厚みを測るため、サンドイッチの一片を極薄にスライスする...
...中国の古詩で、唐の詩人白居易によって詠われた「長恨歌」において、「一片花飛渡千山、疑是銀河落九天」という有名な句がありますが、この句中に出てくる「千山」というのは、武帝の陵墓がある武夷山のことを指しています...
...地上にうごめく生命の一片...
ギィ・ドゥ・モオパッサン Guy de Maupassant 秋田滋訳 「狂人日記」
...遠山桜あるあたりは、公園の中(うち)にても、眺望(ちょうぼう)の勝景(しょうけい)第一と呼ばれたる処に候へば、式(かた)の如き巨大なる怪獣の腹の下、脚(あし)の四(よ)ツある間を透(すか)して、城の櫓(やぐら)見え、森も見え、橋も見え、日傘(ひがさ)さして橋の上渡り来るうつくしき女の藤色の衣(きぬ)の色、あたかも藤の花一片(ひとひら)、一片の藤の花、いといと小さく、ちらちら眺められ候ひき...
泉鏡花 「凱旋祭」
...卓子(テーブル)の上に載っている残りのノクトミカ・レラティビアの肉を一片又一片と口の中に投(ほう)り込む...
海野十三 「不沈軍艦の見本」
...ただカステーラの一片がいづれの少将軍に屠(ほふ)られんかと兢々(きょうきょう)として心細げに横たわるのみ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...黒パンの一片をかじった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ひとりの暴徒が彼の手に刃物の一片を渡してくれた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それに依つて從來の學者の舜典の一片であらうと云ふ説が多分當つてゐると考へ得られるのである...
内藤湖南 「爾雅の新研究」
...まず烏賊の肉の一片を皿に載せてそれをゼンマイで吊すのである...
中谷宇吉郎 「雑魚図譜」
...一片一片の要素としては「左派」浪士団に存在したすべてのものがここにもまた馳せ参じていた...
服部之総 「新撰組」
...狐(きつね)がはいっとらんと?」「やかましいか! 子供は黙(だま)って食うがまし……」私は一片の油揚を父の丼の中へ投げ入れてニヤッと笑った...
林芙美子 「風琴と魚の町」
...ソコで一片の願書なり届書なり認(したた)めて出して見るが宜(よろ)しい...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...それらの古代のモニュメントをもその生活の一片であるかのようにさりげなく取り入れながら...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...「其の男」に一片のチュウイング・ガムを与えられて「その自動車」に招待されたものに相違ない...
牧逸馬 「双面獣」
...苦痛感などは最後の一片までなくなつていて...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...雲が一片(いつぺん)あの空から覗(のぞ)いてゐる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...一片のかざり気も詭弁(きべん)も思ういとまなくただ真心を以て説いた...
吉川英治 「黒田如水」
...一片の情、一滴の涙も知らぬような面は、閻王(えんおう)を偲ばしめるものがあった...
吉川英治 「三国志」
...故主の敵光秀を討たんという一片(いっぺん)の耿々(こうこう)の志を一つにする者と思うたからにほかならない...
吉川英治 「新書太閤記」
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