...台所の水道から一滴の滴水が落ち続ける音にイライラする...
...最後の一滴までグラスにビールを注ぎ、満杯にした...
...最末の一滴まで飲み干した...
...彼は負けたくないという気持ちで、最後の一滴までコーヒーを牛飲みした...
...醍醐の一滴とは、醍醐山のように貴重なものがわずかでもあるという諺です...
......
伊東静雄 「わがひとに与ふる哀歌」
...搾り出しても一滴の油が出ないので腹を欠いているところへ...
魯迅 井上紅梅訳 「薬」
...それから二三日また一滴も降らなかった...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...たまたま藤蔓の根に作っていた蜜蜂(みつばち)の巣から、甘い蜜がポタリポタリと、一滴、二滴、三滴、「五滴」ばかり彼の口へ滴(したた)りおちてきたのです...
高神覚昇 「般若心経講義」
...僕は、きょうから涙、一滴、見せないつもりだ...
太宰治 「HUMAN LOST」
...がぶりと一滴、潮水を呑(の)んだ時のような、激しい強い唇を味わいながら、………それから後、十日の休暇はまたたくうちに過ぎ去りましたが、私たちは依然として幸福でした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...老僧はその茶碗を手にとつて底に一滴も殘さぬやうに仰向いて茶碗を啜り...
近松秋江 「湖光島影」
...そのような事でさえ彼の血管へ一滴の毒液を注射するくらいな効果があった...
寺田寅彦 「球根」
...清水の一滴も湧いて出ようはずはない!絶望困憊(こんぱい)の極みのところに...
中里介山 「大菩薩峠」
...液體(えきたい)の一滴(てき)をも攝取(せつしゆ)することが出來(でき)ないにも拘(かゝは)らず...
長塚節 「土」
...披(ひら)き見れば他の詞(ことば)はなくて擬墨汁一滴(ぼくじゅういってきにぎす)左総じて物にはたらきなきは面白からず...
正岡子規 「墨汁一滴」
...もう一滴も欲(ほし)く無かつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...とうの昔からきまって居る」と云う気持が一滴の涙もこぼさせなかった...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...和助は自分が一滴も飲まないばかりでなく...
山本周五郎 「さぶ」
...一滴も澪(こぼ)さないように注意しいしい...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...そうして僅(わず)かに残った一滴の血が...
夢野久作 「復讐」
...一滴(てき)の涙(なみだ)を...
吉川英治 「神州天馬侠」
...雨一滴落ちて来ず……...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
便利!手書き漢字入力検索