...一様に新しい柿の帷子(かたびら)を着...
芥川龍之介 「忠義」
...皆一様に吹きつける海の風には...
石川啄木 「漂泊」
...秋の半ば過の朝霧が家並(やなみ)の茅葺屋根の上半分を一様に消して了ふ程重く濃く降りた朝であつた...
石川啄木 「道」
...だが、その時に、蝸牛もやはりおなじ事情で追払はれたかどうか私は知らないが、人間は一様に、蝸牛の後頭に載つてゐるものを、角だと云つてゐる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...二人の眼付(めつき)は皆一様に...
魯迅 井上紅梅訳 「薬」
...みんな一様に黒つぽい色に塗られて...
薄田泣菫 「独楽園」
...一様に軽蔑(けいべつ)するような目容(めつき)で出て行く姿を見送った...
徳田秋声 「新世帯」
...盲(めしい)たようなだだ白い明るみが遠くまで一様に澄み切っていた...
豊島与志雄 「月明」
...一様に咲き匂ってる梅花を眺むる時...
豊島与志雄 「梅花の気品」
...線路が一様に持ち上って凍ってくれれば...
中谷宇吉郎 「凍上の話」
...針のついた餌に釣られた魚と同じことなんだ! それはわれわれ全体に一様に変わりのない運命なんだ...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...天も地も一様に真暗になつてしまつたので...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...一様に開いた口を塞ぐことも出来ない為体(ていたらく)であつた――一同の面前には村長の義妹が立つてゐたのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...いつも彼等が一様に暗誦してしまつてゐる古今の名文章を口吟むのが常だつた...
牧野信一 「くもり日つゞき」
...一様に誰にも不安な感が頭を走った...
水野葉舟 「黄昏」
...一様に大根を作らなかったということです...
柳田國男 「日本の伝説」
...清楚な藍色の服を一様に著けた道士達が静かに私達を迎へてくれた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...一様に皆つづまるところ餓鬼(がき)の寄合いか...
吉川英治 「茶漬三略」
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