...初穂を収穫するときは、神棚にお供えするために一束とっておく...
...彼は此等の學者の説を破壞し――否破壞ではない唯一束にして抛擲しただけである――抛擲しなければあの穩健な藝術の定義に到達することが出來なかつたか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...一束(ひとたばね)の女の黒髪...
泉鏡花 「悪獣篇」
...――この蝶が、境内を切って、ひらひらと、石段口の常夜燈にひたりと附くと、羽に点(とも)れたように灯影が映る時、八十年(やそとし)にも近かろう、皺(しわ)びた翁(おきな)の、彫刻また絵画の面より、頬のやや円いのが、萎々(なえなえ)とした禰宜(ねぎ)いでたちで、蚊脛(かずね)を絞り、鹿革の古ぼけた大きな燧打袋(ひうちぶくろ)を腰に提げ、燈心を一束、片手に油差を持添え、揉烏帽子(もみえぼし)を頂いた、耳、ぼんの窪(くぼ)のはずれに、燈心はその十(と)筋七(なな)筋の抜毛かと思う白髪(しらが)を覗(のぞ)かせたが、あしなかの音をぴたりぴたりと寄って、半ば朽崩れた欄干の、擬宝珠(ぎぼしゅ)を背に控えたが...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...一束の小さな紙札が握られている...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...引返して来た時には一束の書類を手にして居りました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「機密の魅惑」
...其れに一束の線香が燻つてゐた...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...その勇士の眠れる戦場の上空より一束の花を投じても...
太宰治 「たずねびと」
...いいえ、お逢いしたことは無いのでございますが、私が、その五、六日まえ、妹の箪笥(たんす)をそっと整理して、その折に、ひとつの引き出しの奥底に、一束の手紙が、緑のリボンできっちり結ばれて隠されて在るのを発見いたし、いけないことでしょうけれども、リボンをほどいて、見てしまったのでございます...
太宰治 「葉桜と魔笛」
...しかもこれらのいっさいを一束にしても天秤(てんびん)は俳諧連句のほうへ下がるであろう...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...一束になって勇気を出さねばならぬ二人なのだ...
永井隆 「この子を残して」
...花紙一束 弐拾銭...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...八百屋の書付(かきつけ)に蘿蔔一束価(あたい)十有幾銭と書きて...
福沢諭吉 「小学教育の事」
...これを一束ねずつ小さい盆栽とし...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...あの一束の人たちの作品の特質は主としてそのところに在ると思われます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あの日来信一束うけとりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...勿論彼のためには飢ゑを滿すべき一束の枯草も...
三好達治 「艸千里」
...上へ一束(ひとたば)の藁をひろげてのせてもよく...
柳田国男 「母の手毬歌」
...彼女の肩から辷(すべ)り落(お)ちた一束の黒髪は...
横光利一 「日輪」
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