...初穂を収穫するときは、神棚にお供えするために一束とっておく...
...問 予は予の机の抽斗に予の秘蔵せる一束の手紙を――然れどもこは幸ひにも多忙なる諸君の関する所にあらず...
芥川龍之介 「河童」
...一束四銭の札が立っている葱の山を指さすと...
芥川龍之介 「葱」
...給仕は僕に一束の郵便物を渡しに顔を出した...
芥川竜之介 「歯車」
...彼は此等の學者の説を破壞し――否破壞ではない唯一束にして抛擲しただけである――抛擲しなければあの穩健な藝術の定義に到達することが出來なかつたか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...床の中でうと/\して居ると郵便配達がどつしりと重みの有る一束の葉書と手紙を投げ込んで行く音に目を覺された...
千家元麿 「自分は見た」
...一束だけを持つて座敷の眞中に歸り...
高濱虚子 「俳諧師」
...野菊や山菊など一束にしたのを持って...
田山花袋 「田舎教師」
...葱(ねぎ)一束位と共に寄宿舎へ持ちかえって...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...起出でゝ見るに郵便脚夫の年賀状一束を投入れて去れるなり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...その一束(ひとたば)をわが家(や)の庭に移し植ゑぬ...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...頭蓋からへぎ取られた一束の髮の毛さへ死體の傍に投げ出されてゐた...
南部修太郎 「死の接吻」
...死神を一束(たば)はとケシかけたつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一束、七円五十銭よ」「えゝ、わかつてゐます」「今朝はすゐとんでもつくるかね?」「えゝさうしませう」「ガスが出るやうだつたら、昼のパンもふかしておくといいわね」「えゝ、わかつてゐます」ふくらし粉をつかへば、拾円で三日しかないといふので、ふくらし粉なしの、餅のやうに固いパン、これが、毎日のこと...
林芙美子 「愛する人達」
...屋敷じゅう探しても乾草一束ない始末でな!」プリューシキンはまた言葉をつづけた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その花の咲いている時分に山村の人が根を連ね十本くらいを一束として市中に売りに来ていたが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...かくて村中ことごとく苅り終るとその一束が百姓中を廻りおわる...
南方熊楠 「十二支考」
...黙ったまま一束をこき終り...
三好十郎 「おりき」
...それだけが一束になって死ねば...
吉川英治 「梅里先生行状記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??