...初穂を収穫するときは、神棚にお供えするために一束とっておく...
...明治四十年五二会の競進会より余が妻は一束の好良なる昆布を求め来れり...
池田菊苗 「「味の素」発明の動機」
...撫子(なでしこ)を一束(ひとたば)拔(ぬ)いたが...
泉鏡太郎 「艶書」
...ふと、義雄は氣がつくと、その木の枝にまたがせて、漬け殘りらしい大根が、一束ね、懸けられたまま、寒さうにしなびてゐる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...引返して来た時には一束の書類を手にして居りました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「機密の魅惑」
...老婆は裏の藪から野菊や紫苑(しおん)などを一束折って来た...
田中貢太郎 「地獄の使」
...戸棚の奥から女の髪の毛が一束出て来た...
種田山頭火 「行乞記」
...先生の手かばんの中から白ばらの造花が一束出て来た...
寺田寅彦 「夏目漱石先生の追憶」
...古典復興――之はキケロに従って古典的教養が唯一の人間的価値と考える、ブルジョア文人的ヒューマニズム(ローマ的な「名声」―― fama ――による芸術家生活の経済的保証に立脚する)、其の他其の他のイタリア的な形態を初めとして、トルストイ的人道主義の変種に至るまでは、一束にして、ヒューマニズムの一元素と考えることが出来るだろう...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...一束の花を持って戻って来た...
豊島与志雄 「太宰治との一日」
...花束と言わるる一束の交差した火花を記憶しているだろう...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...只その音が一本々々の毛が鳴って一束の音にかたまって耳朶(じだ)に達するのは以前と異なる事はない...
夏目漱石 「幻影の盾」
...小さなトランクから最後の一つかみで一束の書類と一冊のメモ帳とを取り出し...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...一束の海藻のように見えました...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...頤に一束の海藻みたいなものが生えた人間の姿に返りました...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...どうぞ続けて」返事代わりに警部補が一束の手紙を机から出して...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...一束にして一人の男に渡しました...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...十ぱを「一束(いっそく)」と呼ぶ...
柳宗悦 「樺細工の道」
...さきの誓書一束が供えられてあるのが一(ひと)しお目につく...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索