例文・使い方一覧でみる「一時は」の意味

...おれも一時は少将のように... おれも一時は少将のようにの読み方
芥川龍之介「俊寛」

...一時は気が変になったほどだった... 一時は気が変になったほどだったの読み方
海野十三「空襲葬送曲」

...ために自分の口も一時は緘せられようとした... ために自分の口も一時は緘せられようとしたの読み方
大鹿卓「渡良瀬川」

...医者とその子供の家族とがその人に加わったので一時は自分の生命も危険ではないかと心配した...
スティーヴンスン　Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」

...ブハリンなんかも一時はブカリンと言ってたものだ... ブハリンなんかも一時はブカリンと言ってたものだの読み方
高見順「いやな感じ」

...そして一時は、もうそのことを考えないように、なるべく早くあきらめるように努めたことも事実だけれども、母や女房への不平が溜（たま）って、その鬱憤（うっぷん）の遣（や）り場がなくなって来るに従い、いつか再び強い憧（あこが）れが頭を擡（もた）げて、抑えきれなくなったのであった... そして一時は、もうそのことを考えないように、なるべく早くあきらめるように努めたことも事実だけれども、母や女房への不平が溜って、その鬱憤の遣り場がなくなって来るに従い、いつか再び強い憧れが頭を擡げて、抑えきれなくなったのであったの読み方
谷崎潤一郎「猫と庄造と二人のおんな」

...老ハルクハー氏は一時はかなり手広く患者をとっていたのであった...
コナンドイル　Arthur Conan Doyle 三上於莵吉訳「株式仲買店々員」

...一時は如何（どう）なる事かと危ぶんだ... 一時は如何なる事かと危ぶんだの読み方
徳冨健次郎「みみずのたはこと」

...知らぬ者でも一時は身の毛がよだつほどでしたが... 知らぬ者でも一時は身の毛がよだつほどでしたがの読み方
中里介山「大菩薩峠」

...一時は夫婦のように暮していたこともあるんだ... 一時は夫婦のように暮していたこともあるんだの読み方
久生十蘭「金狼」

...一時は相応に研究する者もあつた... 一時は相応に研究する者もあつたの読み方
二葉亭四迷「エスペラントの話」

...一時は軒下までも来た水ももうすっかり去ったが... 一時は軒下までも来た水ももうすっかり去ったがの読み方
堀辰雄「幼年時代」

...私も一時は『雄弁』の愛読者であって... 私も一時は『雄弁』の愛読者であっての読み方
三木清「読書遍歴」

...覚えのない彼みずから一時はどきっとした程であった... 覚えのない彼みずから一時はどきっとした程であったの読み方
山本周五郎「日本婦道記」

...一時は父も世話になったと思う子の矢代の気持ちは自ら違っていた...
横光利一「旅愁」

...車はようやく京兆府（けいちょうふ）まで逃げ走ったが、一時は曹操も、ここに死すかと、観念の眼をふさいでいたようであった... 車はようやく京兆府まで逃げ走ったが、一時は曹操も、ここに死すかと、観念の眼をふさいでいたようであったの読み方
吉川英治「三国志」

...羽柴方へ交渉に参りましょう」一時は腹を立てたが... 羽柴方へ交渉に参りましょう」一時は腹を立てたがの読み方
吉川英治「新書太閤記」

...『これあいかん』一時は... 『これあいかん』一時はの読み方
吉川英治「鍋島甲斐守」