...一旦は良家の女人の業でないと止めるが...
上村松園 「砧」
...一旦は公園の中に持ちこまれて...
海野十三 「時限爆弾奇譚」
...彼女も一旦は起きなければならない...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...一旦は憤激してみたけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...そのいずれにしても、この僅かの間にそれをせしめるというのは、敏捷を以て誇りとする米友には、癪(しゃく)な芸当であると思いましたから、米友は、一旦は怒って、それから後は空(むな)しく竹の皮の亡骸(なきがら)を見つめて思案に暮れていました...
中里介山 「大菩薩峠」
...一旦は逃げても、直ぐに来るから用心しろ、用心してつかまえてしまえ、と声をしぼって警(いまし)める者もある...
中里介山 「大菩薩峠」
...おいらは助かったんだよ、尾上山(おべやま)から突き落されて、一旦は死んだが、助ける人があって、息を吹き返したんだぜ...
中里介山 「大菩薩峠」
...一旦は頭を痛めたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...一旦はやみくもにどちらへ逃げようとも...
中里介山 「大菩薩峠」
...一旦は狼狽したが...
中里介山 「大菩薩峠」
...「しかし一旦は貴方(あなた)の御耳まで入れて置かないと...
夏目漱石 「道草」
...一旦は殆んど、土崩に至り、不可成之勢に御座候...
蜷川新 「天皇」
...一旦は尋ね出された...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...……思うに、賊はこれを取りかえしに来て、一旦は、手に入れたが人の足音、というのは、……とりも直さず貴様の足音だったのじゃが、それに驚いて始末に窮し、そんなものを身につけて捕えられた場合の危険を察し、それを万年青の底へ隠した...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...もう海など眺めるのはやめようと一旦は決心したが...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...一旦はもう忘れたようになっていて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...米の籾摺(もみす)りにも一旦は横杵の使用があって...
柳田国男 「木綿以前の事」
...中谷も一旦は調べられましたが素(もと)より狡智(こうち)に長(た)けた彼は巧く云遁(いいのが)れたようです...
山下利三郎 「流転」
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