...一旦は本土を喪うとも...
海野十三 「暗号音盤事件」
...須磨子も一旦は「死」の悲しみを突きぬけて...
薄田泣菫 「茶話」
...―――一旦はたしかに握った珠(たま)が指の間からズリ落ちたとは...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...一旦は起きたけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...一旦はやみくもにどちらへ逃げようとも...
中里介山 「大菩薩峠」
...一旦は中京の地に於て食いとめようとして見事に失敗し...
中里介山 「大菩薩峠」
...一旦は拒むものです...
中里介山 「大菩薩峠」
...一旦は尋ね出された...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...一旦は召仕わぬと申し渡した...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...……思うに、賊はこれを取りかえしに来て、一旦は、手に入れたが人の足音、というのは、……とりも直さず貴様の足音だったのじゃが、それに驚いて始末に窮し、そんなものを身につけて捕えられた場合の危険を察し、それを万年青の底へ隠した...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...この点を申し立てようと一旦は決心したが...
久生十蘭 「魔都」
...長いあいだ生活の友だったかの破れ七輪は、一旦は、輝くアメリカ式ケチンの調理台のうえにおさまったが、あえなくそこからひき戻され、渋谷のバラックの縁側にあたるくらいの場所に、うやむやのうちに腰を据えてしまった...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...二度と一旦は完成したものなら...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...一旦は断絶せずにはいなかったのである...
柳田国男 「海上の道」
...一旦は昔の家に還ってみたが...
柳田国男 「山の人生」
...一旦は猿に連れられて山中に入って行くが...
柳田国男 「山の人生」
...「……一旦は家へ帰ると申しましたが...
山本周五郎 「日本婦道記」
...一旦は意をも遊戯し徒然(つれづれ)をも慰めるようであるが...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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