...僕はこんな重大な事を一方口(いっぽうぐち)で判断したくはありませんから」と話を結んで古藤は悲しいような表情をして葉子を見つめた...
有島武郎 「或る女」
...一方口より出で兼ねたる烟は...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...どうと落ちる……一方口(いっぽうぐち)のはけ路(みち)なれば...
泉鏡花 「海の使者」
...この部屋は廊下に面した一方口で...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...いよいよ一方口になって...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...一方口(いっぽうぐち)ばかし堅(かた)めたって...
永井荷風 「狐」
...見付出した一方口を硫黄でえぶし...
永井荷風 「狐」
...この土蔵は一方口である...
中里介山 「大菩薩峠」
...一方口を信ずるは...
中里介山 「大菩薩峠」
...一方口から流れるように屏風の外へ...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかるに出られべき一方口が突然塞(ふさが)ったと思いたまえ...
夏目漱石 「自転車日記」
...なまじ一方口の小屋に入るのも危険です...
野村胡堂 「十字架観音」
...その部屋は一方口で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その部屋は一方口で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...とにもかくにも、昨日半日寝込んだという、番頭の喜八の部屋を見せて貰いましたが、これは一方口で、脱け出すようなはずもなく、脱け出したところで、ここから飛鳥山まで飛んで行って、虚無僧に化けて主人を殺すにしては、喜八は少し年を取過ぎております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一方口の狭い部屋の中に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いずれも後に一方口が開けて水を搾(しぼ)った昔の沼沢である...
柳田國男 「地名の研究」
...塗籠(ぬりごめ)といってもよい真四角で一方口の部屋だった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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