...僕はこんな重大な事を一方口(いっぽうぐち)で判断したくはありませんから」と話を結んで古藤は悲しいような表情をして葉子を見つめた...
有島武郎 「或る女」
...路地は一方口なんですから...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...この一方口(いっぽうぐち)へ逃(のが)れるほかには逃げ道はなく...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...いよいよ一方口になって...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...窓のない一方口の...
小泉八雲 田部隆次訳 「雪女」
...一方口を信ずるは...
中里介山 「大菩薩峠」
...一方口(いっぽうぐち)に崖を控えている座敷には...
夏目漱石 「門」
...一方口(いつぱうぐち)に崖(がけ)を控(ひか)えてゐる座敷(ざしき)には...
夏目漱石 「門」
...外(ほか)に扉(と)が二つ、一つは寝室に通じて居りますが、寝室は一方口で、此処(ここ)も問題にならず、もう一つの扉(と)は、隣の篠井智恵子の室(へや)に通じて居りますが、これは長い間釘付けになって、絶対に開けた形跡がありません...
野村胡堂 「踊る美人像」
...その部屋は一方口で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一方口の狭い部屋の中に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...路地は一方口の袋路地だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さすがに一方口(いつぱうぐち)にはあらで山の手の仕合(しやわせ)は三尺ばかりの椽の先に草ぼうぼうの空地面...
樋口一葉 「にごりえ」
...自然の巣といふものは大抵は一方口で...
柳田國男 「家を持つといふこと」
...いずれも後に一方口が開けて水を搾(しぼ)った昔の沼沢である...
柳田國男 「地名の研究」
...一方口ですから」「麹町署に頼まなかったのか……見張りを……」「頼んだのです...
夢野久作 「暗黒公使」
...ロダン夫人は無雑作に一方口(いつぱうぐち)の入口(いりくち)から入(はひ)つて来られた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...元より一方口の洞穴(ほらあな)に...
吉川英治 「江戸三国志」
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