...官軍の東下に引続(ひきつづ)き奥羽の戦争(せんそう)に付き横浜外人中に一方ならぬ恐惶(きょうこう)を起したるその次第(しだい)は...
石河幹明 「瘠我慢の説」
...そんな風で私はS先生からは一方ならぬ奴だとされてゐたのでした...
伊藤野枝 「嘘言と云ふことに就いての追想」
...研究室に閉じ籠って研究ばかりしているところに一方ならぬ圧力を感じているのだ...
海野十三 「俘囚」
...大学予科の解散という事は生徒に取っては一方ならぬ動揺で何百人という人が一時に各地に散る事になったので痛飲悲歌の会合が到る処に催おされた...
高浜虚子 「子規居士と余」
...一同の心配は一方ならぬわけでありました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...その告白を聞いた時の驚きは一方ならぬものがあったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...一方ならぬ苦痛と不安とを感じた...
田山録弥 「小説新論」
...クリストフは一方ならぬ骨折りをして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...一方ならぬ御贔屓(ごひいき)を受けておりまするからに...
中里介山 「大菩薩峠」
...一方ならぬ怪異を覚えたのでしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...「我々の在獄中ツシタラは一方ならぬ同情を我々に寄せられた...
中島敦 「光と風と夢」
...殊にチェエホフの文章に對する推敲琢磨振りは一方ならぬものがあつたらしい...
南部修太郎 「氣質と文章」
...一方ならぬ恩顧(おんこ)を蒙(かうむ)つた笹野一家に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一方ならぬ大事の瀬戸際...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ものゝ順當といふものだからな……おれはお前の一方ならぬ働で...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...一方ならぬ心遣いをもって自分の埋葬の儀式を指図することに費やし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一方ならぬ躁(さわ)ぎとなっているらしい...
吉川英治 「新書太閤記」
...ジノーヴィー・ボリースィチには一方ならぬ悩みの種だった...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
便利!手書き漢字入力検索