...また一方ではこう云う事実も古来決して絶無ではなかったと云う事をお耳に入れるために...
芥川龍之介 「二つの手紙」
...そこで、明智と若者を助けおろすと同時に、一方では、身軽な連中をすぐって、屋上の大捜索が行われた...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...食慾(しょくよく)もすすむ一方です...
太宰治 「新ハムレット」
...一方では平中を掴(つか)まえて変な皮肉を浴びせたりしたので...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...一方ではまた、嗅覚(きゅうかく)と性生活との関係を研究している学者もあるくらいである...
寺田寅彦 「試験管」
...また一方では劇場の複雑な反響のために...
寺田寅彦 「耳と目」
...一方では彼女の満足な状態を示すものであろうか...
豊島与志雄 「夢の図」
...一方では情婦(いろおんな)をこしらえて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...けれども一方では...
夏目漱石 「それから」
...一方で若者らしい思考の魅力に未だ支配されていた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...一方では「やれるの」と言う...
三田村鳶魚 「中里介山の『大菩薩峠』」
...今日の若い世代の、よりよい結婚生活、家庭生活の願いは、一方で、ますます加わって来る困難な条件をはっきり見とおして、それらの困難にめげない人間の成長への確信に裏づけられなければ、やってゆけないだろうと思える...
宮本百合子 「家庭創造の情熱」
...そう云う人々が一日中沢山の時を一緒に過したり、一緒に歩いたりすることが其那に騒ぎな、何かいけない事のように思われて居るのに、一方では、本当に間違った prodigality が黙って通用されて居る...
宮本百合子 「結婚問題に就て考慮する迄」
...また自分だけが悪いのでもなかったと一方では考えられもするのですよ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...他の一方では既墾の田地に食料を生産しなければならぬ...
柳田國男 「名字の話」
...一方では、大月玄蕃の陥し穴に墜ちた春日重蔵が、二人の強剣に挟まれた形となって、まさに火を降らしての苦闘の最中であった...
吉川英治 「剣難女難」
...魏兵の混乱ぶりは一方でない...
吉川英治 「三国志」
...一方では飯盛の武士たちが...
和辻哲郎 「鎖国」
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