...あたりはますます暗くなる一方で...
海野十三 「怪塔王」
...一方で美術人形の研究をしているのですよ...
江戸川乱歩 「悪霊物語」
...王座の人物は影のごとく薄れ、一方で、ラッセル家、カベンディッシュ家、セシル家等々が最高の強固性をもってイギリスを支配し始めた...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...彼女の心はすさむ一方であった...
田中貢太郎 「法華僧の怪異」
...一方では音楽的分子が主要なものになっているためもあるが...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...また一方では流行の諸相でもある...
寺田寅彦 「俳句の精神」
...最早一方では生えて居る...
徳冨蘆花 「草とり」
...そうしてこんなふうに考え続けている一方では...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...そして一方ではうっとりと酔いながら...
豊島与志雄 「食慾」
...一方では前からの知人ででもあるような親しみを覚えてきた...
豊島与志雄 「反抗」
...そしてまた一方ではそういう自分の心に一種の残忍な苛ら立ちを感じてくる...
豊島与志雄 「二つの途」
...もしこう云う態度で平岡に当りながら、一方では、三千代の運命を、全然平岡に委(ゆだ)ねて置けない程の不安があるならば、それは論理の許さぬ矛盾を、厚顔に犯していたと云わなければならない...
夏目漱石 「それから」
...一方では所領が見す見す競売に附せられてしまう――そこで地主は窮迫のあまり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...悪くなる一方ですから探しません...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...一方では個人主義(しゆぎ)を振廻(ふりまは)す...
三島霜川 「平民の娘」
...――一方では女の秘密が探りだされていた...
山本周五郎 「留さんとその女」
...一方で怒号(どごう)がきこえた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...こういう悪戦苦闘のあいだに、一方では、寄手の工兵が濠(ほり)を埋めて、石垣の下に迫り、また、「金坑(かなぼり)の者」と称する土龍隊(もぐらたい)をつかって、地下道を掘鑿(くっさく)してゆく...
吉川英治 「新書太閤記」
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