...一方では増産ということが国家の至上命令となった関係上...
犬田卯 「米」
...それとともに一方では安心もした...
海野十三 「蠅男」
...一方で理論上道徳に関して疑を抱く者の生ずる間に他方には更に一歩を進めて...
丘浅次郎 「人類の将来」
...一方で支那の有名な小説を忠実に翻訳すると...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...病気は悪くなる一方で...
薄田泣菫 「茶話」
...そうして置いて一方では今度の雪子の縁談を急速に進行させ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...一方では社会の欠陥...
田山録弥 「三月の創作」
...一方ではまたわが国の科学者がおりにふれてはそのいわゆるアカデミックな洞窟(どうくつ)をいでて火災現象の基礎科学的研究にも相当の注意を払うことを希望したいと思う次第である...
寺田寅彦 「函館の大火について」
...一方では文学を進展させる動力となると共に...
豊島与志雄 「文学への実感について」
...もっとも、一方では、永井家縁故の同志を集め、素読の稽古と触れ込んで、毎日地下に穴を掘り続け、あと一両日で、囲いの下に掘り抜くという時、その八五郎とやらが弟子入りをして来たのだ――それをどう始末してよいものか、平次、お前の思案ならどうだ」皆川半之丞の頬には苦笑いが淀(よど)みます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一方で少なからず養成したものだ...
萩原朔太郎 「ラヂオ漫談」
...その頃、私が選んだお友達は――メァリー・アン・ウィルスン、はしつこい、よく氣のつく性(たち)の少女で、一方では、彼女は機轉がきいて、風變りで、また一方では、彼女は私の氣を樂にさせるところがあつたので、私は彼女との交(まじは)りはたのしかつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...一方では紳士でもあり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...そう云う人々が一日中沢山の時を一緒に過したり、一緒に歩いたりすることが其那に騒ぎな、何かいけない事のように思われて居るのに、一方では、本当に間違った prodigality が黙って通用されて居る...
宮本百合子 「結婚問題に就て考慮する迄」
...化粧をしたりしている一方では...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一方ではなお鎧(よろい)の紐(ひも)もしめ終らぬというのに早くもその戦友は討たれているという始末である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一方では妻の吝嗇と嘘つきと口やかましいのにあいそをつかしていた...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...一方で信長の本軍が全滅しているのではあるまいか...
吉川英治 「新書太閤記」
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