...一散に大風の見世の外へ飛び出して居つたのでございます...
芥川龍之介 「雛」
...甲板を一散にこっちへ駈けてくる下士官があった...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...甲板を昇降口の方へ一散に走りながら...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...恐い物にでも追はれるやうに反対の方角へ一散に走つた...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...そく足の伝令騎が泡を噛(か)んで一散に駈(か)けすぎる...
徳永直 「冬枯れ」
...こんどは一散に遠くへ走っていった...
豊島与志雄 「或る素描」
...母の家まで一散に駆けていった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...軽井沢をめがけて一散に馳(は)せ出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...一散に逃げて行く源吉の後姿を隠す物の隈(くま)もありません...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...そして縄梯子(ジャコップ)に足を掛けようとしている外国船員のところへ一散に彼は駈付けた...
牧逸馬 「上海された男」
...」柚太は一散に駆け降るのであつた...
牧野信一 「剥製」
...何故か一散にN村まで行き着き損ひさうな焦立ちをもつてゐた...
牧野信一 「円卓子での話」
...いつ廊下を走ったか判らぬまま階段を一散に駆け降りて...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...二挺櫓(ちょうろ)を押して一散にここへ帰ってきたわけ...
吉川英治 「江戸三国志」
...で、まっすぐに、ほとんど一散に、手を振って貧民街のイロハ長屋の露地口まで帰って来ると、誰かうしろから、大きな手が彼の肩をつかんで、「トム公じゃねえか」と言った...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...一散に敵の陣地へ駈けこんで行った...
吉川英治 「三国志」
...にわかに、埋地(うめち)の闇や水明りの船岸(ふなつき)に、ワラワラと人影がうごき出す中を、一散に、船待(ふなまち)小屋へ目がけてきたのは、竹屋三位卿...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...瞬間的な狂人になり得て一散に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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