...その疲労を待って予備隊をもって一挙に止めを刺さんと計画を立てた...
石原莞爾 「戦争史大観」
...そして、結局は、一挙にして、お嬢さんと宝石とを、二つながら取り戻し、同時に女賊「黒トカゲ」をその筋の手に引き渡そうというのが、彼の計画であった...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...妻子も世間も道徳も師弟の関係も一挙にして破れて了(しま)うであろうと思われた...
田山花袋 「蒲団」
...それを一挙に払いのけようとした...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...それは一挙に啓示せられた一世界……愛すべき一世界だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それを一挙に整理するために信子の父に頼んでみたのだが...
豊島与志雄 「道化役」
...一挙に爆発するであろう...
直木三十五 「南国太平記」
...欧洲を一挙に驚愕(きょうがく)の淵(ふち)に陥(おとしい)れた...
中谷宇吉郎 「原子爆弾雑話」
...全山緑であった松本山は一挙にして熱灰の山となり...
中谷宇吉郎 「天地創造の話」
...一挙にして大金が手に這入る...
萩原朔太郎 「易者の哲理」
...一挙に証明するように努めよう...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...脚下の松川は陥没した海の底の地盤のように一挙に遠い世界になってしまった...
細井吉造 「二つの松川」
...その双方を一挙に解決するかに見えたのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...これ等の工作の全部を一挙に覆(くつがえ)し...
夢野久作 「人間レコード」
...しかも、そうなると、これらの悪の連鎖が世を毒して来た歳月は長く、その本は、遠い前々将軍家の御代にまで及ぶことになり、なお地域や関(かか)わる人間は、西国の不平浪人の徒から、海外国内に足をかけている密貿易者(ぬけがい)の群にまで及んで、一挙に、これらを皆、犯罪者として検挙することは、到底、一町奉行の力をもっても、公儀の御威光を以てしても、覚(おぼ)つかないものと思う...
吉川英治 「大岡越前」
...一挙に賊軍を潰滅させ...
吉川英治 「三国志」
...菊池党以上の勲功を一挙に揚げようという二の足掛けていたものであったらしい...
吉川英治 「私本太平記」
...成政は、味方のもつその弱点を除き、さらに敵が不落とたのむ鳥越(とりごえ)の牙城(がじょう)を抜いて、能登半島と加賀の境を中断し、一挙に、前田方の勢力を分断するにしかず――と思いついたことから、この大兵をうごかして来たものだった...
吉川英治 「新書太閤記」
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